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北海道は大丈夫?“道路陥没”で浮き彫り「下水道管の老朽化」札幌8300キロ下水道管最新事情

2025年1月30日 18:35
北海道は大丈夫?“道路陥没”で浮き彫り「下水道管の老朽化」札幌8300キロ下水道管最新事情

埼玉県で道路が陥没しトラックが転落した事故は、下水道の老朽化という問題を改めて浮き彫りにしました。

北海道内では、耐用年数とされる50年を超えた下水道が多く、自治体は補修や点検に追われています。

交差点の真ん中に空いた直径20メートルの大きな穴。

埼玉県では2025年1月28日、突如として道路が陥没しトラックが転落しました。

新たな陥没や崩落が継続的に発生し、運転手の救助は難航しています。

陥没の原因とみられているのが下水道管の腐食です。

地盤工学の専門家はー

(室蘭工業大学 木幡行宏教授)「下水管ですから生ごみとかも流れていて、そこから硫化水素が発生。これはコンクリートにとってマイナス要因で溶かすようなものです」

下水道管に穴が開いたことで土砂が浸食。

大きな空洞ができ陥没につながった可能性があるといいます。

道内でも地面の陥没による事故が起きています。

三笠市の道道では2021年、陥没した穴に乗用車が転落し3人が重軽傷を負いました。

2009年には安平町のゴルフ場に穴が開き、プレー中の女性が死亡する事故も起きています。

(室蘭工業大学 木幡行宏教授)「1970年代に下水道が道内でも普及し始めていますので、自治体ではそれぞれ保守点検、地中レーダーを用いたりして行われているとは思います」

下水道管の耐用年数といわれる50年が過ぎようとする中、札幌市ではー

(札幌市下水道河川局 吉田修管路保全課長)「下水道管を調査するためのカメラになります。人が入れなくても安全に調査することが可能になっています」

パイプの中を走る車輪付きカメラ。

先端部分を遠隔で動かし、劣化や亀裂を探します。

札幌市の下水道の総延長は8300キロ。

札幌市は職員による目視や車輪付きカメラを駆使し、年間およそ210キロずつ点検しています。

老朽化した部分が見つかるとー

(金澤記者)「すごく硬くなっていますね。まさにコンクリート並みの硬さといった感じですね」

新たなパイプとして使われるのが、光や熱で固まる特殊な樹脂。

もともとはしぼんだ袋のような形ですが、穴の中で膨らませ加工すると丈夫なパイプになります。

札幌市内では下水道管が原因の小規模な陥没が年に150件ほど発生しています。

大きな陥没の前兆の可能性があるため、道路の管理者と情報を共有し改修にあたっています。

(札幌市下水道河川局 吉田修管路保全課長)「幸い大きな陥没は市内で起きていないのが現状です。日ごろの維持管理を適切に行っていきたい」

私たちの生活の土台を揺るがす地面の陥没。

下水道の老朽化が進む中、少しの前兆も見逃さない姿勢が求められます。

最終更新日:2025年1月30日 18:35
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