ウクライナ侵攻から3年…北海道に避難を余儀なくされている22人のウクライナの人たちのいま
ロシアによるウクライナ侵攻から2025年2月24日で3年です。
戦闘が長期化する中、ウクライナから避難してきた人たちは、一日も早い平和の実現を望みながら北海道内で生活を続けています。
(先生)「お金がたくさんあったら何をしますか?」
(マリアさん)「たくさん旅行します。あと、犬を飼います」
戦争が始まってからおよそ半年後に、ウクライナから札幌へ避難してきたマリアさんです。
札幌市北区でウクライナの人に無料で日本語を教える教室で学んでいます。
気がかりなのはウクライナで生活を続ける親族のことです。
(マリアさん)「いつも話します。メッセージを送ります。毎日ミサイルが来ます、ロシアから。とても危ない」
ロシアによるウクライナ侵攻から3年。
首都・キーウの広場には戦死者を追悼する旗が並び、その数は増え続けています。
(市民団体)「世界から戦争をなくす、誰も殺させない」
札幌市中心部では24日、市民団体の有志が即時停戦と平和への願いを訴えました。
道内にはいまもなお22人のウクライナ人が避難し、慣れない異国での生活を強いられています。
(マリアさん)「(ウクライナに)帰りたいが、いまは難しいのと危ない。仕事がありません。いつ帰るかわかりません」
ロシアが攻撃の手を緩める気配がない中、マリアさんが通うこの教室では、ウクライナに住む人に対しても直接的な支援も続けています。
ウクライナ東部の病院で不足している衣類やガーゼなどの物資をSNSを通して集め、現地へ送りました。
(サンフレンズ 杉田邦昭さん)「ただでさえ負傷しているにも関わらず、身に着けるものや包帯なども足りていない状況ですから。ものすごい大変なものだろうと想像している」
この支援物資を届ける計画について、配送などの手助けをしていたのが、ウクライナ出身で恵庭市に住むゴヴォロヴスキー・セルヒーさんです。
故郷にいる友人から聞こえてくる、さらなる戦争の長期化を見据える声に危機感を強めています。
(セルヒーさん)「最前線にいる軍隊にいる友達と話したりすると、長引きますというみんなの意見は変わらないと。大学の同期は去年の3月に亡くなって、次は誰が亡くなるかと。そういう話ばかりです」
いまは停戦に向けた重大な局面を迎えている一方で、その道筋は不透明なままです。
先週、アメリカのトランプ大統領はウクライナのゼレンスキー大統領を「ひどい仕事をした」「独裁者だ」などと激しく批判し、波紋が広がっています。
この状況では「戦闘終結は難しい」とセルヒーさんは話します。
(セルヒーさん)「一回戦争が始まってお互いに殺し合いが始まると、悪循環になって復讐という気持ちがわいてくる。きのうまで一緒にご飯を食べた仲間が亡くなると、自分自身も平気に相手の兵士を殺せるという話を何回も最前線で戦っている人たちから聞いたことがあります。戦争を終わらせることは簡単なものではないと思います」
ロシアによるウクライナ侵攻から3年。
停戦実現の見通しが立たない中、ウクライナの人たちは一日も早く平和な日常が戻ることを願っています。