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難病の祖母を結婚式に 制度の壁を乗り越え…夢をかなえる看護師 家族の思い出を紡ぐ

2024年1月2日 0:00
難病の祖母を結婚式に 制度の壁を乗り越え…夢をかなえる看護師 家族の思い出を紡ぐ

介護や支援が必要と認定された高齢者は、この20年で3倍以上に増えています。

しかし、現在の介護保険制度では多くの制約があり、やりたいことを諦めてしまう人も少なくありません。

病気や障害があっても望みをかなえるために、制度の枠を超えたサービスを行う女性に密着しました。

4時間利用で約2万円…保険外サービス

(大山尚美さん)「きょうは目の調子どうですか」

(男性)「あまりよくない。だんだん見えづらくなってきた」

看護師の大山尚美(おおやま・なおみ)さんです。

89歳の男性の買い物に付き添います。

(男性)「値段いくら?」

(大山尚美さん)「ラム肉100グラム、税込みで538円」

男性は、視力や筋力の低下により1人で買い物をすることが難しく、大山さんがカゴを持ったり会計するなどサポートします。

男性が楽しみにしていたのが、期間限定で出店した魚屋です。

この店のホッケが食べたいと、自宅から1時間ほどかけてやって来ました。

(魚屋)「何年ぶり?」

(男性)「そんなに経ってないだろう」

(魚屋)「1年ぐらいですか」

(男性)「今まではおっかなびっくり1人で来ていたが、今度は(大山さんに)支えてもらって助かっています」

買い物や散歩の付き添いなど、およそ4時間の利用で料金は1万9000円でした。

(男性)「高すぎます。もう少し公的な補助があればいいけど」

「生活の一部がなくなる」介護保険制度の壁

大山さんが提供するのは、介護保険が適用できないサービスです。

40歳以上の人たちが保険料を支払いサービスを利用できる介護保険制度。

しかし、利用できるのは国が定めた範囲内のサービスのみです。

買い物で嗜好品を買うことや認知症の高齢者の見守りができないなど、多くの制約があります。

そこで大山さんは2年ほど前、自宅を拠点に保険外のサービスを提供する事業を立ち上げました。

(大山尚美さん)「最低限に寝て食べての生活は介護保険でできると思うが、お出かけしたいとか病院や習い事、人と会うことができなくなるので、それはその人にとって生活の一部がなくなることなので、制度だけでは難しいのかなと、生き方が変わってしまうのではと思う」

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