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高齢女性2人はね死亡させた88歳に禁固1年10か月求刑 法廷には車いすで 釧路地裁

2024年5月9日 17:33
高齢女性2人はね死亡させた88歳に禁固1年10か月求刑 法廷には車いすで 釧路地裁
事故直後の現場(2023年10月)

2023年10月、釧路市内で横断歩道がない車道を渡っていた90歳と87歳の女性が、乗用車にはねられ死亡した事故で、釧路地裁で初公判が開かれました。(2024年5月9日)

過失運転致死の罪に問われているのは根室市の無職・中塚正悦郎被告(88)です。

検察によりますと中塚被告は、根室から約120キロ離れた釧路市内の病院に向かう途中、前や左右の安全確認を十分しないまま、時速およそ42キロで走行し、右から横断してきた2人を約16.3メートル手前で見つけ急ブレーキを踏んだものの間に合わず、はねて死亡させたとされています。

法廷に車イスで現れた中塚被告は、腰が曲がり杖をついてゆっくりと歩いて被告人席に座り、起訴状が読み上げられると「検察官の言う通り。間違いないです。」と起訴内容を全面的に認めました。

中塚被告は「反省している。申し訳ない。」と繰り返す一方で、質問の途中で喋り始めたり、質問の主旨が理解できず無言になるため、裁判長らが「聞こえていますか?」「質問の意味はわかりますか?」などと問われる場面も多くありました。

そのうえで釧路地検は「事故の数か月前にも交通違反で検挙され運転技術の衰えも感じていたのに運転した過失と結果は重大」として禁固1年10か月を求刑しました。

一方の弁護側は「自動車保険で被害者への補償が見込まれるうえ、事故を反省し免許も取り消されたため、再犯の可能性もない」として執行猶予のついた判決を求めました。

判決は5月29日に言い渡される予定です。

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