被害者は「浦島太郎」 被告人は「乙姫」 冬休みに模擬裁判を体験 仕事の魅力を学ぶ 北海道
冬休みの「自由研究」。
この機会にあの手この手で仕事の魅力を小学生にPRしようと、施設や企業はユニークなイベントを開催しています。
色鮮やかなビーズやラメが光を反射しながらゆっくり舞い上がります。
中の液体はせんたく糊と水。
お気に入りの素材や色をボトルに詰めていく姿は、みな夢中。
これは札幌市下水道科学館で行われた「冬休み自由研究勉強会」です。
下水処理場では、不純物を沈殿させるなどして綺麗にした水を川に戻していますが…
その仕組みを理解してもらおうと、きらきらしたビーズなど小学生が喜びそうな素材を使って、沈殿の様子を再現した工作教室を開いたのです。
これが冬休みの自由研究にも結び付けば一石二鳥、というわけです。
(女の子)「楽しかった。また行きたい」
(札幌市下水道科学館 西岡輝館長)「下水道の大切さというものを知っていただくということが狙いです」
しかし、札幌市中央区の多くの小学校では、冬休みの自由研究提出を「求めない」「任意」とするなど様変わりしています。
(保護者)「あったらちょっと面倒くさいなとは思うんですけど。親として面倒見てあげなきゃならないので。ただなかったら寂しいなとは思います」
(保護者)「確かにちょっと親の負担にはなるかもしれないんですけど、子どもにとってはとても貴重な経験だと思うので、ぜひなくさない方がいいんじゃないかな」
小学生が普段馴染みのない裁判所でも、この機会に裁判を知ってもらおうと「模擬裁判」を開きました。
その題材とはー
(検察官役)「竜宮城において浦島太郎さんを殺す目的で開けると危険な玉手箱を手渡し、浦島さんに玉手箱を開けさせて浦島さんを殺したものである」
札幌地裁の実際の法廷で開かれた模擬裁判「浦島太郎殺人被告事件」。
子どもたちは、被告人の「乙姫」が玉手箱を浦島太郎に手渡して殺したという殺人事件の裁判員裁判に挑戦しました。
(検察官役)「玉手箱を開けた結果、どんな事になるかは知っていたんですか?」
(乙姫役)「おじいさんになることは知っていましたが、死んでしまうとは思っていませんでした」
(検察官役)「この被告人の行為は非常に悪質なものです。よって被告人を懲役10年にするのが相当」
(検察官役の子ども)「人を責めるのも難しいと思って。でも一生懸命やってみたら検察官の役になれたかなと思ってすごい楽しかった」
冬休みの宿題ではなくなりつつある自由研究。
しかし、子どもが社会の仕組みを学ぶと同時に、施設側も仕事の魅力を発信できる貴重な機会ではあるようです。