年末年始を前に品不足か 新潟が誇る “幻の西洋ナシ” 「ル レクチエ」が不作 出荷量は半減も…「味は今までで一番おいしい」 《新潟》
これからの時期、贈り物としても喜ばれる「ル レクチエ」。
ことしはある異変が起きているといいます。新潟が誇るブランド西洋ナシに何があったのでしょうか?
甘くとろけるような食感と芳醇な香り…新潟のブランド西洋ナシ「ル レクチエ」です。
栽培の難しさから「幻の西洋ナシ」とも呼ばれています。
そんなル レクチエを育てている新潟市南区の中村孝志さんです。
例年であれば出荷作業に追われる時期ですが……
〈旭ファーム 中村孝志さん〉
「私20年近く農業をやっていますけど一番今年が被害が多かった。出荷状況としては平年の約半分の出荷状況になってしまっています」
ことしはル レクチエの不作に頭を悩ませているのです。その主な原因とみられているのは褐色斑点病です。
〈旭ファーム 中村孝志さん〉
「形はさほど変わらないんですけどこっちの方、黒い点分かりますかね、これが褐色斑点病ですね」
ル レクチエの実に黒い斑点が現れる褐色斑点病。
ことし9月頃から葉っぱに斑点が出始め、その後、葉が落ち実にも影響が出たと言います。褐色斑点病には特効薬がなく、ことしは県内の広い範囲で被害が出ているといいます。
県の広い範囲で褐色斑点病が広がったのは、2015年以来。その他にも、天候不順なども影響し、近年まれに見る不作となりました。
〈旭ファーム 中村孝志さん〉
「例年ならまだまだこの小屋いっぱいにまだ在庫がある状態だったんですけどまた来年頑張ります」
JA全農にいがたによると、例年県内全体でル レクチエを850トンほど出荷していますが、褐色斑点病などの影響でことしの出荷量は430トンと約半分に激減。例年であれば12月20日頃まで出荷が続いていましたが、ことしは10日頃にはまとまった出荷が終わってしまうといいます。
収穫量は減ってしまいましたが、褐色斑点病は実の表面に斑点ができるだけで、味には影響しないということです。
〈旭ファーム 中村孝志さん〉
「雨が定期的に降ってくれたことによってル レクチエ特有の渋みが完全に抜けている年なので味は今までで一番おいしい年だと思います」
近年まれに見るル レクチエの不作…。年末年始を前に品不足になるおそれが出てきています。