将棋の8大タイトルのひとつ棋王戦の第3局が2日に新潟市で開かれ、藤井聡太七冠がタイトル防衛に挑みました。対局は同じ局面が繰り返され、初めから指し直しになるなど、まれにみる熱戦となりました。

会場となった新潟市中央区のホテルでは前夜祭が開かれました。
棋王戦5番勝負の第3局。藤井聡太七冠は挑戦者の増田康宏八段を相手に連勝し、タイトル防衛に王手をかけています。

〈藤井聡太七冠〉
「地元の皆様に期待をいただいてそれに応えられるような熱戦ができるように明日は全力を尽くしたいと思っています」

〈増田康宏八段〉
「厳しい状況ではあるんですが、しっかり作戦を用意していい将棋を熱戦をお届けしたい と思っています」

熱戦を誓った両者。

迎えた3月2日、会場では大盤解説会が開かれ、多くの将棋ファンが訪れました。

〈観客〉
「佐渡から来ているが新潟県でタイトル戦はなかなかないのでこれはぜひ来なければと思って参加しました」
「藤井さんに対抗する人が出てくるということが一番興味がある」

藤井七冠の先手で始まった棋王戦。対局のたびに注目される勝負飯。藤井七冠が注文したのはのどぐろのお茶漬けです。増田八段は海の幸たっぷりのお重を選びました。おやつにはふたりとも「越後姫のタルト」を注文し、新潟の名産品でエネルギーを補給。

始まってから約7時間が過ぎた頃、同じ局面が4回繰り返される千日手が成立。これにより対局はイチから指し直しとなりました。

（司会）
「千日手の対局に行かれたことある人？これは大変記念の1日になりそうですね」

〈観客〉
「これはおもしろいですね、興奮してます」

会場の時間が過ぎても対局は続きました。

〈観客〉
「本当なら午後7時くらいには終わるんだろうと、それなら帰れるなと。忘れられない新潟遠征になったなとは思いました」

そして、午後9時ごろ。藤井七冠が120手のすえ増田八段を投了に追い込み、棋王のタイトル防衛と棋王戦3連覇を果たしました。

〈藤井聡太七冠〉
「新潟ではこれまで何回も対局させていただいてますけど、こちらで防衛という結果を出すことができたのはうれしく思います」

新潟でタイトルを防衛した藤井七冠。タイトル戦 通算100勝も達成しています。