佐渡市で住宅など計9棟を焼く火事 通報時には「火柱が上がっている」 なぜ広範囲に燃え広がったのか 現場近くで過去にも13棟焼く火事 《新潟》
佐渡市で13日夜、住宅と倉庫 計9棟を焼く火事があり、火元の住宅に住む男性が軽いやけどを負っています。現場は住宅が密集している地域で、これまでにも大きな火災が発生しています。なぜ火は燃え広がったのでしょうか。
大きく崩れ落ちた屋根…。火元の家は原型をとどめないほど焼けていました。
(リポート)
「火事が起きたのはこちらの住宅街の一角です、建物が密集しているところに火が燃え広がりました」
激しく燃え上がる炎…
13日午後6時半ごろ、佐渡市春日で近所の住民から「炎が大きくなっている」と消防に通報がありました。
火は勢いを増し瞬く間に燃え広がりました。
〈近所の住民〉
「火の粉が向こうの方にどんどん飛んで行ってこのくらいの大きなやつがなかなか消えないものだから、2回目の爆発音がしたかな、たぶんプロパンガスかなんかだと思う」
発生から5時間後の午後11時半に消し止められました。火元の住宅に住む70代の男性が軽いやけどを負っています。
一夜明けた14日朝、警察と消防が実況見分を行いました。
この火事で住宅と倉庫計6棟が全焼。さらに住宅3棟を焼きました。
現場は両津港から北に約1キロにある住宅が立ち並ぶエリアです。
現場の付近ではこれまでにも大きな火事が起きています。ことし3月には住宅など3棟を焼く火事があったほか、2019年の正月には13棟を焼き、3人が亡くなる大規模な火災も起きています。
近所の住民は…
〈近所の住民〉
「木造建てで昔の家も多い。ひとつ火の手があがると運が悪いと大火事になっちゃう」
これは今回の火事が起きる前の様子です。
木造で出来た住宅が多く、さらに密集しているのがわかります。
さらに…
〈近所の住民〉
「ひとり暮らしが多いですね、みなさんのおうちはみんなひとり暮らし、焼けた家は」
ひとり暮らしの高齢者が多い地域だといいます。13日の火事、最初に通報があったのは午後6時29分。消防によりますと、住民や通行人から複数の通報があり「火が噴いている」、「火柱が上がっている」などどれも火の手が広がっているような内容だったといいます。
その8分後、消防が到着するとかなり広範囲に燃え広がっていたといいます。
こちらの男性はかつて消防団に所属していて5年前の大規模火災では消火活動にあたっていました。
ひとり暮らしの高齢者は火事が起きても通報が遅れがちだと指摘します。
〈元消防団 斎藤浩二さん〉
「私が消防団のときに防火活動で家々を回った時に独居老人が多いんですよ。もの忘れしているなという方が結構多いので火の始末とか忘れられる方がこれから多くなってくると思うんです」
繰り返される大規模な火災…
消防はこの時期、空気が乾燥していて暖房器具などを使い始める人も増えるとして火の取り扱いに十分注意するよう呼びかけています。