ライフラインの本格的な復旧へ 国の災害査定官が新潟市を視察 上下水道が使えない理容室は売り上げが半減《新潟》
元日の地震から25日目ですが、新潟市内では上下水道の復旧がままならない所があります。ライフラインの本格的な復旧に向けて国の災害査定官が25日、現地に入り工事方法などを市の職員に助言しました。
24年前自分で建てた理容室。
新潟市西区寺尾東にあるヘアアートフジの安藤哲史さんです。
元日の地震によって、店は車道と比べて1メートルほど沈み、さらに地盤ごと1メートルほど横にずれました。
水道管が断裂して店の周りは水が溢れていたと言います。
地震から25日目となりますがいまだに…
〈ヘアアートフジ 安藤哲史店長〉
「当然、水は出ない状態ですね。下の配管も全部やられてしまっていて、現状(下水も)流せない状態です」
店の外を見せてもらうと…むき出しの配管が設置してありました。
急きょ壁に穴をあけ、部分的に水を使えるように応急処置をしたといいます。
〈ヘアアートフジ 安藤哲史店長〉
「段差もこれだけついていますし、今後どうなるのか。どうしても飲む方の水に目がいきますけど、捨てる方(の水)がないというのも結構大変に思いますよね」
3台あるシャンプー台のうち何とか1台だけ使えるようにしたといいます。
6日から営業を再開しましたが、これまでの半分の客にしか対応できず、売り上げも半減しています。
不安を抱えながらもできる限り愛着のあるこの場所で店を続ける考えです。
〈ヘアアートフジ 安藤哲史店長〉
「開店当初から来ていただいているお客さんもいますし愛着ありますよね。仮店舗どこかで借りるっていう選択肢は自分のなかではないです。ここでのお店だと思っているので、ここでやりたいなと思います」
一刻も早いライフラインの復旧に向けて…。
25日、新潟市西区を訪れたのは、国交省の災害査定官です。
確認したのは、主に道路と下水道…。
災害査定官は今後どのような工事をして復旧していけばよいかなどを同行した市の職員に助言しました。
新潟市によると、1月24日までに「下水が流れにくい」といった相談が250件寄せられていて、現在も利用できない世帯があるといいます。
25日の視察でも被害を受けた下水道が見つかったということです。
〈国交省水管理・国土保全局防災課 湯浅泰三 災害査定官〉
「下水というのは水道と違って高さの勾配がいるもの。それが今回の地震で相当隆起・沈下があって。そういったところを調べて早急に元の生活に戻るように対策を一緒に考えていきましょうという話をした」
新潟市は今回の調査を踏まえて復旧方法などを検討し、必要な工事費を算定した上で国への支援を求めていくとしています。