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元ディスコが○○に… 空きスペース活用で新たな魅力発信

2024年7月19日 21:03
元ディスコが○○に… 空きスペース活用で新たな魅力発信

各地で空き店舗や空きスペースが増える中、使われなくなった場所を活用して生まれ変わらせようとする動きが広がっています。新たな魅力づくりを模索する県内での取り組みを取材しました。

スナックだった場所が本格ピザ店に…。
ディスコだった場所はクラフトビールの醸造所に。

新たな活用で空き店舗や空きスペースが生まれ変わっています。

◆薪窯ピッツェリアメリオ◆
「クワトロフォロマッジですね~」
「うまっ!」
「おいしい」

上伊那郡辰野町。今月1日、ナポリピッツァの専門店がオープンしました。
大きな薪窯におしゃれな内装のピザ店ですが、かつては…。

トビチカンパニー赤羽孝太さん
「もともとは伊那バスさんていうところのバスターミナルの一角なんですけれども、元々スナックみたいなかたちで使われていてここ十年以上は空き店舗だったところですね」

仕掛け人は辰野町の街づくり会社トビチカンパニーの赤羽孝太さん。目指すのは「トビチ商店街」という新しいまちづくりです。街に点在する空きスペースを店舗に変え、飛び飛びの商店をつなごうという取り組みで今回のピザ店も、その一環です。

トビチカンパニー赤羽孝太さん
「この場所事態はもう3年ぐらい前からですねピザ店の裏びスペースでダンスをやるような場所を使い始めさせていただいたりとか、そのような流れがあったものですからここに飲食店が欲しいよねっていうのがあって、今回井上が移住してくるっていう機会もあったのでじゃあ自分たちで飲食店やろうかって」

店を切り盛りするのは福岡県出身の井上恵一さん。

井上さんは奥さんの実家がある辰野町に今年移住、自分の店を出すのが夢で、少しでも経費を抑えようと自ら店舗の改装も行いました。

井上恵一さん
「いや、正直自分でもまさかこんなに綺麗なお店になるとは思ってなかったですね。工事中も差し入れ持ってきてくれたりとか通りすがりに話しかけてくれる人頑張ってねって言ってくれる人もいるし、本当にそういうあたたかさは感じますね」

18歳から料理人を目指し東京で修行、ナポリピッツァの大会で3位入賞の経験もあります。

イタリア産のモッツアレラチーズとトマトの愛称が抜群のマルゲリータなど井上さんがつくるピザには早くもファンが。

客は
「オープンする前に初めて隣で イベントして、その時にピザを 作ってもらってすごく美味しか った。他県から友達が来てくれ たりしたんですけれどもすごくおいしかったって言って、都内 の高級なピザよりおいしいって」

井上さん
「街の多くの人が集まるようなお店に、集まる場所になればい いなと思いますね」

◆ホテルブエナビスタ◆
黄金に輝くビール

松本市のホテル「ブエナビスタ」では自家製ビールの提供を始めました。このビールが作られている、その場所は…。

ホテルの地下、ディスコや宴会場などで利用していましたがコロナ禍に入り頻度が激減。新たな活用法を模索する中で人気が高まるクラフトビールに着目しました。

5月1日。関係者が見守る中、新しいビールタンクを前に安全祈願祭と開所式が行われました。醸造所の名前は「MATSUMOTOGAKU都 BREWING」「三ガク都」として知られる松本市にちなんで名付けられました。

迎えた初めての仕込みの日。

アルピコホテルズビール事業課 中島亮課長
「きょうから仕込みで緊張しています」

ビール造りは、ホテル初の試み。ノウハウがなかったため、都内のクラフトビールメーカーと契約し、プロのサポートを受けています。

この日はIPAの仕込み。ホップの香りや苦みが強いのが特徴のビールです。

焙煎された小麦や大麦などの麦芽をタンクに入れ、お湯と合わせビールの元となる「麦汁」を作ります。

指導する「ブルワー」マンシュエル・ジュリアンさん
「ビールづくりの1番最初の工 程、糖化と言って麦芽に含まれ るでんぷんを糖分に変える工程 です。 糖分が酵母のエサにな ってその糖分がアルコールに変 わるんです。」

糖化が終わると、ろ過して、ホップを投入、苦味と香りを付けて20日間ほど発酵させるとビールが完成します。

アルピコホテルズビール事業課 中島亮課長
「本当にまだまだ不安なことだらけで、おいしいビールができるのかなっていう期待と不安が入り混じった複雑な気持ちです。」

今月12日、いよいよビールの販売がスタートしました。

「いただきます」
「グレープフルーツ」「柑橘」
「おいしいです。バナナ(の様な)味と聞いていたのでどんな味かなと思っていたんですけれど、すごいバナナ感というより飲みやすい」

高山試飲ディレクター
「IPAでございます。楽都IPAは通常のIPAより ホップを1.5倍贅沢に使用し ており、ホップの苦味、フルー ティの香りが特徴おビールでご ざいます。飲みやすい。ビールというよりジュースみたいで飲みやすいですね」

このほかバナナを思わせるフルーティな香りが楽しめるビールなどあわせて3種類を製造。ホテルのレストランなどで提供されています。

アルピコホテルズビール事業課 中島亮課長
「やっとできて、やっと皆さんに飲んでいただける日を迎えましたのでこれからも本当に精一杯頑張っていきたいと思います」

新たな魅力を発信すべく、試行錯誤は続きます。

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