【日本一の生産量】浄法寺漆の初出荷 大阪出身の漆搔き職人も初出荷 岩手
日本一の生産量を誇る浄法寺漆のことしの初出荷が20日に行われました。大阪から二戸市に移住した若い漆掻き職人も初めて漆を出荷し、気持ちを新たにしていました。
会場にずらりと並んだ樽。中に入っているのは、漆の国内生産量の約8割を占める二戸市の浄法寺漆です。20日、今年初めて出荷されました。
会場には、33人の職人が約300キロの漆の樽を運びこみました。新谷武仁さんは、この日、漆を初めて出荷します。
新谷武仁さん(29)
「漆は貴重。少しずつ採っていくので」
大阪府出身の新谷さんは、漆掻き職人の後継者不足を知り二戸市にことし春に移住。ベテラン職人の指導を受けながら初出荷にこぎつけました。持ってきたのは120本の木から手作業でとった漆、約9キロ。
品質の高さで知られる浄法寺漆。出荷前には色や粘りなど、漆の質を検査します。ことしは全体的に茶色で粘り気がある良質の漆が揃いました。
新谷さんの漆も、無事、検査をクリアしました。最後は、先輩職人に教わりながら自分で梱包作業を行い、初めての出荷作業を終えました。
新谷武仁さん
「がむしゃらに、右も左も分からないので指導者に教わったことをひたむきにまっすぐに取り組んだ。重要文化財に使われるような誇りのもてる漆をとれる職人になりたい」
新谷さんのように県外から移住し、漆掻きを行う人は徐々に増えているといいます。
県浄法寺漆生産組合 泉山義夫組合長
「いま地元から漆かき職人になるのがほとんどいない。ずっと若い人たちがたくさんいるが、ほとんと県外から来ている漆掻き。技術を身に着けてがんばってもらいたい」
出荷された浄法寺漆は、重要文化財などの修復作業に使われます。