岩手県大船渡市の山林火災 発生から12日目の9日 市が"鎮圧"を宣言 10日正午までに全ての避難指示解除へ 建物被害は210棟に
岩手県大船渡市で大規模な山林火災が発生してから9日で12日目。避難指示が解除される地域が拡大する中、市は午後5時に火災の鎮圧を発表しました。
大船渡市 渕上清市長
「延焼拡大の危険がないと判断し たことから、本日ここに鎮圧を 宣言いたします」
大規模な山林火災から12日目。大船渡市は午後5時、火災を鎮圧したと発表しました。危険な状態は脱したものの、山林火災の痕跡はいたるところに残っています。
NNN取材団 渡辺大世記者
「山肌は黒く燃え、焦 げ臭い臭気が漂っています」
火災の傷あとが残る中、住民は元の生活を取り戻そうと必死です。
防災無線
「避難指示を解除します」
赤崎町・蛸ノ浦地区の森党司さんです。避難指示の解除を受け、自宅に帰ってきました。
森党司さん
「冷蔵庫の中は大丈夫ですね」
保存容器の中のご飯は乾いて固まった状態に。久しぶりの我が家で避難生活の疲れを癒す間もなく森さんは片付けに追われました。
NNN取材団 瀬川裕大記者
「午後1時です。避難指示の解除を受け続々と車が入っていきます」
9日に避難指示が解除されたのは、赤崎町の大立・永浜・清水・蛸ノ浦の4つの地区で882人が対象です。一方、979世帯2424人への避難指示は継続しています。
避難所から帰宅した森党司さん)
「避難所出るとき涙が出るようで。(避難を続ける人に)見送られて本当に涙が抑えられない気持ちでした」
清水地区の鈴木洋子さんです。帰宅して、しおれた仏壇の花を見たとき、亡くなった両親を思い出したといいます。
鈴木洋子さん
「見守ってくれてありがとう、こ の家を守ってくれてありがとう って」「入ってくるとき泣いてしまった の。よかったです」
大船渡市は状況を見ながら10日の正午までにすべての地域で避難指示を解除する見込みです。
一方、大船渡市は、今回の山林火災による建物被害は、これまでより132棟多い210棟にのぼることを明らかにしました。