小さくても大きな役割果たすミツバチが減少 マンゴーの受粉にも影響が…
続いては特集です。秦さんとお伝えします。
今の季節は宮崎で栽培される特産品マンゴーの花が咲く時期です。
この花を受粉させてくれるのがミツバチなんですが、ミツバチなどが受粉を担う作物はどれくらいあると思いますか
国連の機関によると、私たちが口にする作物の約7割が持続的な生産や収穫、品質を維持するためにミツバチなどの花粉媒介者に頼っていると報告されています。
今年はこのミツバチが減っていて、マンゴーの受粉にも影響が出ています。
訪ねたのは、Linkコメンテーター・服部学さんの養蜂場です。
「一番奥(の巣箱)が出入りがあると思います。」
「本当ですね!飛んでます!下の小さい穴から入るんですか?」
「そうですね。」
Q今はハチにとってどんな時期
「夏から秋に溜めたエサを食べながら冬を越して、3月になると女王バチが卵を産み始めるので、数が増えていく時期。」
宮崎では、ミツバチは春になると数を増やし、梅雨前にかけて花の蜜を集めハチミツを作ります。
そしてもう一つの大きな役割が農作物の受粉です。
受粉は養蜂家が農家にミツバチの巣箱を貸し出して行います。
しかし、今年は異変が…
(服部学さん)
「今年は特に、去年の秋ぐらいから(ミツバチが)不足していると感じている」
「県内も皆さん数が少ない。全国的に少ないと聞いています」
2月から3月は、マンゴーが花をつける時期。この日は、JAみやざきマンゴー部会の横山部会長のハウスへ向かい、貸し出しているミツバチの状態を確認しました。
「このへんにさなぎが入っています。このへんがハチミツ。これが女王バチ。」
ハウスでは、ミツバチが花から花へ飛び回り受粉を助けていました。
(JAみやざきマンゴー部会横山洋一会長)
「マンゴーはハチがいないと実がつきませんので、ハチが一番大事になってくる。小さい花がたくさんつくので、人の手で受粉は現実的に無理かな。」
マンゴーの栽培にはミツバチが不可欠なんですが…
(JAみやざきマンゴー部会 横山洋一会長)
「(周りの農家では)今まで借りていた養蜂家から借りれないという状況も数件あって、ハチを借りる工面に困っている場合もあります。」
どうしてミツバチが減ってしまったのか・・。
服部さんは高齢化によって養蜂家が減っていることに加え、今年は環境的な要因があると見ています。
(服部学さん)
「去年の夏の猛暑と災害がハチにとっても厳しい環境だったんじゃないか」
ミツバチは暑さには強いですが、猛暑になると花が育たずエサになる蜜が不足、女王バチが卵を産まなくなるため数が増えません。
さらに、こんな要因も…
(服部学さん)
「全国的に広がっているミツバチにつくダニ」
「(ダニの寄生で)幼虫や成虫になれないハチが増えている」
「(ミツバチの)飼育を趣味でやっている方も増えてきている。その方々がダニに対して対策をしてもらわないとダニを駆除できない」
「ミツバチにとって住みやすい環境を整えていくことが大事」
「レンゲ畑や菜の花畑がいっぱいあった、そうした風景をもう一度取り戻していくことが大事かもしれない。」
小さくても大きな役割を果たしているミツバチ。
ミツバチが生きる環境を整えることが、私たちの豊かな食卓を守ることにもつながります。