山形大学農学部の教員が蔵王の樹氷を形作る「アオモリトドマツ」の枯れ木56本を国に無断で伐採していた問題で、教員が県に提出した書類に実際には国から伐採の許可を得ていないのに「許可を得た」と記載していたことが分かりました。
この問題は、山形大学農学部の教員がことし10月、蔵王ロープウェイ「地蔵山頂駅」付近で、樹氷を形作る「アオモリトドマツ」の枯れ木あわせて56本を国の許可を得ないまま、無断で伐採していたものです。一帯は蔵王国定公園の「特別保護地区」になっていて、伐採を行う際は事前に国と県の双方から許可を得る必要があります。山形森林管理署や山形大学などによりますと、教員はことし4月、アオモリトドマツが枯れた要因を調べる目的で木の年輪を確認しようと、国に伐採の許可を求める申請書を提出しましたが伐採本数が多いことなどから、許可を得られませんでした。しかし、教員は県に提出する申請書に「国から許可を得た」と記載して9月6日付で県に出し、これを受け県は9月30日に伐採の許可を出しました。
　10月下旬に、森林管理署の職員が現場で伐採作業をしていた教員を見つけ、その後の調査で国の許可を得ていないことが判明しました。大学の聞き取りに対し、教員は、「国から許可を得ていると思った」と話しているということです。