土砂災害警戒情報と大雨警報の基準 山形県内は23日午後から見直し きめ細かく危険度示す
大雨のときに発表される土砂災害に関する警戒情報の発表基準が23日から見直されます。今回の見直しによってこれまでによりも発表の頻度は低くなるものの、災害発生の危険性についてより精度の高い情報が提供されるようになります。山形地方気象台に聞きました。
近年、全国的に頻発する大雨被害。県内ではおととし8月、置賜地域を中心に豪雨に見舞われ、「大雨特別警報」が初めて出されました。
こうした大雨の際によく耳にする「警報」などの情報。大雨によって土砂災害が発生する危険性を5つのレベルに分けて示したもので、避難の有無を判断する基準にもなっています。
このうち県内ではあすの午後1時からレベル4相当の「土砂災害警戒情報」とレベル3相当の「大雨警報」の基準が見直されます。
今回の見直しのポイントを山形地方気象台の担当者に聞きました。
山形地方気象台 高内寛義土砂災害気象官「発表基準の細分化ということで対象エリアを現在5キロ四方から1キロ四方に細分化した」
これまでは5平方キロメートルごとに土砂災害の危険性を判断し、警戒情報を発表してきました。23日からはこの範囲が1平方キロメートルごとに細分化されます。
山形地方気象台 高内寛義土砂災害気象官「これまでは広い範囲にわたって基準を決めていたが、これをもっときめ細かく、よりピンポイントで危険度を示すことができるようになった」
さらに土砂災害の恐れがない平地や人が住んでいない地域など警戒情報の判定対象から除外するエリアを大幅に増加。県全体のおよそ4割の土地が警戒情報の対象外となり、対象エリアが絞られました。
山形地方気象台 高内寛義 土砂災害気象官(だいぶ面積が減りましたね?)「これまでは警戒情報の発表回数が多かったが、新しい基準になれば発表回数が少なく危険度が増す」
基準見直しによって警戒情報が発表される頻度はこれまでのおよそ半分程度に少なくなるとみられています。その分、発表される情報は場所を含めてより精度の高いものとなります。
山形地方気象台 高内寛義 土砂災害気象官「もし発表された場合は本当に危険なのでそこがどこかを気象庁のホームページで見てもらって今自分がいる所が危険かどうかの判断材料にもなるので利用してもらえれば」
気象庁は現在地の危険度が分かる「キキクル」というウェブページを無料で公開しています。土砂災害や浸水・洪水の可能性がある場所が地図上で表記され、今いる場所がどの警戒レベルに値するのかをどこでも確認することができます。
山形地方気象台 高内寛義 土砂災害気象官「こちらが気象庁のホームページで見られる土砂キキクルの図。色は土砂災害の危険度を表していて、土砂災害警戒情報は紫色に該当する」(これが出された場合はどういう行動をとればいい?)「市町村から発表される避難情報を確認して危険な場所から離れてもらいたい」
気象庁が発表した3か月予報によりますと、6月から8月までの東北地方の降水量はほぼ平年並みと見込まれています。
しかし、これから雨の多い季節を迎えることから改めて災害への意識を見直すことも重要となってきます。