災害時に孤立する危険性がある集落 山形県内に400か所以上 山形市内でも40か所以上
石川県の能登半島地震では交通網が寸断され、住民に物資が届かない孤立状態になっている集落が多数発生しています。山形県内にも災害時に孤立する危険性がある集落が400か所以上に上ることが県のまとめで分かりました。
県によりますと災害時に道路が寸断され、孤立する危険性のある集落は県内で441か所あり、住民は1万1151世帯、2万7599人に上ります。地域別に見ると最も多いのが村山で175か所、次いで置賜が122か所、庄内が74か所、最上が70か所となっています。これらのデータは20年以上前の調査をベースに集計されていて、実際にはさらに多い可能性もあります。
このうち山形市には43もの孤立する危険性がある集落があります。その一つが西部に位置する芳沢地区です。
中川悠アナウンサー「芳沢地区に来ました。住宅は10軒ほどありますが空き家も多いようです。」
最新の国勢調査によりますと芳沢地区には現在、7世帯16人が暮らしています。集落に車でつながる道路は2本ありますが、道幅は狭く、それが寸断されれば、住民の避難や物資の供給が難しくなります。
住民「道路が狭いから土砂が崩れるとね。もう1本の道路も農道だから狭い。幅3メートルくらい。そこも沢があるから崩れたりするからなかなか大変。」
災害が起きた時の市の指定避難所は集落の中には無く、住民によりますと過去に大雨が降った際に、およそ3キロ離れた避難所まで避難したこともあったと言います。
住民「川が増水した時避難した。大変。80代と90代で若い人が少ないから。」
集落では高齢化が進み、避難が困難な住民が多くなっています。県のまとめによりますと孤立の危険性がある集落で非常用の電源設備があるのはおよそ3割、通信機器の設置割合は6割余りなどとなっていて、孤立集落対策が急務となっています。