大雨で浸水被害の戸沢村 新たに設置した「集団移転対策室」業務スタート 住民は早期の実現願う
官公庁や多くの企業では6日が「仕事始め」です。去年7月の大雨で大規模な浸水被害を受けた戸沢村では、地区の集団移転などに重点的に対応する新たな組織体制がスタートしました。一方、今も避難生活を続ける住民からは早期の集団移転実現を願う声が聞かれました。
去年7月の大雨で大規模な浸水被害を受けた戸沢村蔵岡地区。村は、地区住民の集団移転に向けて検討を進めています。
およそ60人の地区住民が仮設住宅での年越しを余儀なくされました。
住民の男性「正月なんて…とてもじゃないが普通の日と変わりないです。(「明けましておめでとう」とは…)とんでもない!どこがおめでたいって言えるのかって思う。自宅にいるなら正月という気持ちになると思うが…」
自宅を離れて避難先の村内の子育て支援住宅に暮らす柳田さん一家。妻は今、第5子を妊娠しています。
柳田雅志さん(31)「去年は大雨があったのでことしはより良い年になりますようにという意味を込めて、初詣に行ったり玄関に正月飾りを付けたりした。安産や厄災がないようにとか、 何不自由なく一年過ごせるよう祈った」
大雨から5か月余り。官公庁や多くの企業で仕事始めとなった6日、村役場では加藤文明村長が職員に年頭の訓示を行いました。
戸沢村・加藤文明村長「巳年は努力を重ね物事を安定させていく年。復旧復興に努力を重ね、皆さんの先頭に立って、物事が突き進んでいくように私も一生懸命に頑張りますのでどうか皆さんの協力をよろしくお願いしたい」
村は、防災力強化のため1月1日付けで「危機管理課」を新たに設置しました。また、危機管理課の中に集団移転に向けて専門的に業務を行う「集団移転対策室」を設置。対策室には県職員2人が派遣され移転計画の素案づくりのほか県や国との連携強化を図ります。
戸沢村危機管理課安食守課長「蔵岡地区の皆さんが少しでも早く安心して暮らせる環境が整うように業務に当たりたい。県と連携しながら事業を前に進めていきたい」
避難生活を送る柳田さんは、集団移転事業が早く進むことを望んでいます。
柳田雅志さん「自分たちが今住んでいるのも自宅ではないということもあるので迅速に計画を検討してもらえると助かる。集団移転自体すごく時間がかかることだと思うのでそれに合わせて私たちも生活再建が早く進むようにしていかなければならない」
村は住民を対象に行っている集団移転の意向調査を1月15日ごろに回収し、1月末に結果を公表する予定です。