カナダ・トロントで山形のそば提供へ 日本食レストランのシェフらが県内で視察
カナダ最大の都市トロントに日本そばの専門店が来年オープンします。提供されるのは天童市の製麺所が開発した冷凍そばです。店のオープンに先立ち、現地の日本食レストランの店主たちが来県し、山形のそばづくりを学びました。
20日、山形市の「鈴木製粉所」を訪れたのはカナダ最大の都市トロントの日本食レストラン「匠心」の店主と従業員です。2泊3日の日程で来日し県内のそば店や酒蔵などを訪問しました。
「匠心」では寿司をメインに提供しています。
現地のミシュランガイドでおととしから2年連続で1つ星を獲得している人気店で来年、日本そばの専門店をトロントに出店する予定です。
その新店舗で提供されることになったのが山形のそばです。県内の商社の仲介で採用が決まりました。
一行が訪れたこの製粉所ではソバの実からそば粉が作られる工程を実際に見学しました。
匠心オーナーシェフジャッキー・リンさん「そばは日本食の重要な位置にある。ちゃんと本物のそばを出したい」
中国人のオーナーシェフ、ジャッキー・リンさんは移り住んだカナダで日本人の元で寿司の修業をした経験があります。
鈴木製粉所 鈴木文明社長「みなさんそばというとどういうイメージ?」ジャッキー・リンさん「やはり健康ですね」
日本語での会話もばっちり。そばについての説明に、日本語で熱心に質問していました。
質問「粘りが少ない方がいい?」
小坂憲央アナウンサー「座学を終えた皆さんいよいよ実践です。そば打ちに取り組んでいます」
「めちゃくちゃうまい。これが理想です」「寿司より難しい。まあ全然違うんですけどね」「固まってきたどうしよう。焦ってます焦ってます」「don’t eat。うどんです」
ジャッキー・リンさん「完成!やったー本当いい経験になりました」
辻蕎麦 辻一彦副代表「実際一回くらいはそばを打ったことがあるのかと聞かれると思うのでもちろんと言ってもらっていいと思います」
トロントにオープンするそば店では、天童市の「辻蕎麦」が開発した冷凍の生そばが提供されます。この日は小麦アレルギーの人でも食べられる十割そばなど合わせて6種類の試作品が用意されみんなで試食しました。
試食「E1かもしれないな。香りは。やっぱり二八との違いがある方がいいですよね」
辻蕎麦辻一彦副代表「山形そばのスタイルがカナダで受け入れてもらえるか不安はあるが、ジャッキーさんたちとの信頼関係ができつつあるのでそこは信じてお届けしたい」
ジャッキー・リンさん「トロントに戻ってちゃんと考えて辻さんと相談して最後に決まりです」
山形のそばが提供されるトロントの店は来年夏にオープンする予定です。国をまたいだ新たな挑戦は始まったばかりです。