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年40人定員に在校生4人 飯豊町に去年開学した専門職大学、わずか2年で募集停止へ

2024年10月23日 12:07
年40人定員に在校生4人 飯豊町に去年開学した専門職大学、わずか2年で募集停止へ

40人の定員に対し、入学者は2年間で合わせて5人だけー。山形県飯豊町に開学し、大幅な定員割れが続く「電動モビリティシステム専門職大学」が、来年度の入学者を募集しないことが明らかになりました。

後藤幸平飯豊町長「募集停止の必要はないと法人側に何度話しても分からないと。強い憤りを感じている」

飯豊町萩生に去年春に開学した「電動モビリティシステム専門職大学」は電気自動車や自動運転を4年間で実践的に学ぶ日本初の専門職大学で、仙台市の学校法人・赤門学院が運営しています。この専門職大学の整備に伴い飯豊町では、若者の増加や地域活性化を図る狙いから校舎の建築費3億5000万円のほか、専門職大学の敷地や設備の無償貸与などの支援を行ってきました。

学校法人赤門学院 国分活妙理事長「本学は多くの若者を引きつける教育に力を入れ乗り物好きな若者が集う高度な学びの場として地方から日本国内はもとより世界へ発信してまいる」

各学年の定員は40人。しかし初年度の入学者は3人、今年度は2人とこれまで2年間の入学者は合わせて5人のみで大幅な定員割れが続いていました。

こうしたなか専門職大学のホームページには学長名で「来年度の入学者の募集停止」が発表されました。

ホームページより「試験の志願状況が芳しくなかったのが一番の要因。他法人への承継等についてギリギリまで模索してまいりましたが法人理事長が最終判断を下したところです」

誘致を進めてきた後藤幸平町長に23日午前、話を聞きました。

後藤幸平町長「半年ぐらい前から募集停止の話は聞いていたが、町としては、『運営を承継する法人もあるので募集停止をする必要はない』と何度も話してきたが、法人側は『分からない』と言っていた。募集停止に我々は納得できない、強い憤りを感じている。教授陣も誰一人離脱したい人はいないと聞いている。しっかりとした運営の後継者がいるので安心してほしい」

「電動モビリティシステム専門職大学」をめぐっては県も、学生の募集や企業連携などの面から支援を行ってきました。

吉村知事会見「今回の募集停止の発表は非常に残念。モビリティ大学の運営がどうなるのか飯豊町からも話を聞きながら動向を注視したい」

専門職大学によりますと現在、在校生は合わせて4人いて2期生が卒業する2028年3月まで講義を継続します。その後は、閉校となる可能性もあるとする一方、清水浩学長は「法人の決定に納得したわけではなく、引き続き町とともに別の法人との調整を図っていく」と話しています。
赤門学院は、YBCの取材に対し、「担当者が終日出張のためコメントできない」としています。

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