「警察帰れ!」行政側ともみ合いに「あいりん総合センター」内の路上生活者ら強制退去 大阪市西成区
“日雇い労働者の街の象徴”だった大阪市西成区の「あいりん総合センター」で1日、敷地内で寝泊まりしている人たちを退去させる強制執行が行われました。
「同じ人間やで、何がしたいの?あんたら、何がしたいの?」
「救急車呼べ!救急車!」
「警察帰れ!警察帰れ!」
「暴力反対! 暴力反対!」
1日早朝に始まった「強制執行」。
耐震性の問題から5年前に閉鎖されていた大阪市西成区の「あいりん総合センター」の敷地内で寝泊まりをしていた人たちに、立ち退きを求め、センターを取り囲んでいた荷物などが撤去されました。
「あいりん総合センター」は54年前の1970年、日雇い労働者の支援施設として開設。ピーク時には3万人いたとされる労働者たちに仕事のあっせんなどを行ってきましたが、敷地内で寝泊まりする人が一定数いて、待遇や行政への不満などから暴動も相次いで発生していました。
大阪府は「不法占拠」だとする訴えを起こし、今年5月には敷地内で寝泊まりする人たちに立ち退きを命じる判決が確定していました。
強制執行が始まってから約3時間半後、 行政側が作ったバリケードに気づいた労働者の支援者たちは…
「強制排除して、恥ずかしないんか!野宿している人たちのプライバシーとか人権とか人格、全部奪って」
「全部取りや!フェンス取って、シャッターも取りや!」
恒例の炊き出しをしようとしますが…
「警察帰れ!」
「何してんの?警察!蹴ったな、今、お前!」
そして、2日…
属ちひろ記者
「強制執行が終わり、あいりん総合センターの周りに高い柵が完成しました。以前のように中に立ち入ることはできません」
大阪府の吉村洋文知事は…
大阪府・吉村洋文 知事
「行政の提供する施設や福祉措置は希望すれば入れるように当然とっています。西成の街づくり協議会で、トップダウンではなくて、ボトムアップで意見を聞きながら進めていきたい」
大阪府と市によると、建物は今後速やかに解体し、労働者の支援のほか、多目的広場やにぎわい空間などを備えた施設に生まれ変わる予定です。