4月に開幕する大阪・関西万博に向けて、27日から大阪市内全域で路上喫煙が禁止となりました。しかし、「たばこを吸える場所がない」という戸惑いの声も上がっています。

　この日から大阪市内全域で禁止となった路上喫煙。しかし、街を歩いてみると、今日も路上でたばこを吸う人たちの姿が…。

　（Q:今日から大阪市全域で路上喫煙が禁止になったが）
　路上喫煙していた人
　「知らなかったです」
　「知らないです。周りに迷惑かけてなければ良いんじゃないかなと。吸っている側の勝手な意見やけど」

　大阪市は、これまで人通りの多いJR大阪駅周辺や御堂筋など6つのエリアで、路上喫煙を禁止していましたが、4月に開幕する大阪・関西万博に向けて街の美化などを目的に、条例で禁止エリアを市内全域に拡大。また、新たに「加熱式たばこ」も規制の対象とし、違反した人には、「1000円の過料」を科します。

　普段たばこを吸わない人
　「大いに賛成します。煙が来るのがいい気分はしないのは確か」
　たばこを吸う人
　「もうちょっと喫煙所が増えたら良いなと、ちょっと少ないと思うので。吸うところを探すのが大変なので」

　条例の改正に伴い、大阪市は170か所の喫煙所を整備。さらにパチンコ店などが開放しているものも含めると、313か所の喫煙所を確保したとしていますが、喫煙所の場所を記したマップを見てみると、梅田やなんばなどの中心地に偏っていて、少し離れると周辺に喫煙所がほとんどない「空白地帯」も確認されました。

　古瀬朱理 記者
　「オフィス街のある阿波座駅から一番近い喫煙所まで何分かかるか、計ってみようと思います。早速行ってみたいと思います」

　途中、信号で足止めを食らう場面も…。

　古瀬記者
　「ここまでかかった時間は14分9秒です。歩いてみて、いくつか信号で止まることもあり、なかなかここに来るまで時間がかかりました」

　さらに、喫煙所の周辺で取材を続けると…。

　古瀬記者
　「喫煙所の中に入ろうとしていますが、喫煙所の中が満員になっているのでしょうか。外で立って待っているように見られます」

　昼休みの時間帯は行列ができ、中には、喫煙所のすぐそばでたばこを吸う人の姿も見られました。

　古瀬記者
　「あちらには喫煙所があるのですが、こちらのベンチ、たばこの吸い殻が落ちています。さらに、こちらも多くのたばこのポイ捨てが目立ちます」

　長年、この公園の清掃などを行っている町内会の会長は、条例の改正だけでは不十分だと指摘します。

　阿波座東町会長・小野雄二郎さん
　「喫煙所を利用してもらわないといけないけど、（数が足りなくて）他で吸えるところがない」
　「（大阪市が違反者に）目を光らせて、周知をしてくれないと」

　 たばこを吸う人にとっても、吸わない人にとっても、気持ちの良い街づくりを進めることはできるのでしょうか。大阪市は実態を把握して、今後も、必要な対策を検討していきたいとしています。