【全文】“フジテレビ新社長”会見「非常に難しかった」
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中居正広さんの女性トラブルをめぐる一連の問題を受け、フジテレビは会長と社長が辞任し、28日から、清水賢治(しみず・けんじ)社長の新体制となる。
10時間を超える異例の長時間会見終えた28日朝、清水新社長が日本テレビなどの取材に応じた。
記者とのやり取りは以下の通り。
◇今日から改めて新しい体制が始まるが?
一刻も早い信頼回復、それが私に与えられた責務だと思っています。そのために今できること、そして、それを一つ一つ着実にやっていくこと、それが大事なんだと思ってます。
◇具体的に今日から何をやっていく? 意気込みは?
まだ昨日から言われたことですから、具体的にいいますと、まずは、やはり今言われてることっていうのはいろいろあります。
一番ある、真相の究明、そして問題がどこにあったのか、そしてそれらに対する改善策など、こういうことっていうのもありますけど、これは第三者委員会も含めてやっていくことですから。ですからそれを、調査結果を待たずにも、我々ができることはやっていかなきゃいけない。
同時に今、目の前で本当に1日1日起こっている現場の問題。それは営業の現場、それ以外にも制作現場でもそう、どの現場でも、仕事というものは動いてますから、それをやる作業に障害が出ている。
それは、一つ一つを上の者が出ていって、解決することができるんだったら、それはやっていかなきゃいけないと思いますし、あとはやはり説明責任をきちんと果たしていくことっていうのは大事なことだと思っています。
◇昨日の会見の感想は?
今の時点で言えること、非常にあの会見は、事案自体のところで、当事者同士とプライベートな問題っていうものは実はかなり制限されていることでした。
それがかえって記者の皆さんにはフラストレーションを与えてしまって、ただ、そこら辺のところを説明できれば、確かにもっとわかりやすいんでしょうけど、ただ説明すること自体が、それが新たな問題を引き起こしてしまいますし、それは当事者にとっても良くないことになりますから、その辺のことが非常に難しかったなと思いますが、今できることはし、今できること、今言えることについては、お伝えしたと思います。
◇会見をやってよかったか? 何点か?
やってよかった、何点ということは我々が決めることじゃないので。やるべきことを、今できることを精いっぱいやりました。それが10時間という長い時間になってしまいましたが、これ取材する側も大変だったと思いますけど、我々としてもこれが今できる、精いっぱいのことですっていうことを理解していただきたいなと思います。
◇昨日の会見では、日枝取締役相談役の責任を問う声も結構あったと思うがどう受け止めるか?
どうしてもやはり在任期間が長いっていうこともありまして、皆さんの興味がそこに行くのはわかるんですけれど、では今回の事案とは何だったんだろうか。この問題は何だったのかといったところに、それが直接結びついているのかといいますと、昨日もご説明しましたけども、やはりそれは直接結びついてるものではないっていうことだと思います。
ですから、これは今の現体制である、代表権を持つ人間がああやって揃って出てるわけですから、そこの説明がやはり大事だと。
それは社会に対しては、こういう原理原則上は、立場のある人間が説明するということが正しいのではないかと思っています。
◇昨日「ゼロからのスタートだ」とおっしゃった。改めて組織が良い方向に、新しく変わっていくことを、具体的にどういうふうに説明しアピールしていくつもりか?
具体的な説明は難しいかなと思っています。要するに、説明はかなり色んなものにまたがっていきます。
大きくいえば、制度面でいいますと、多分一番は、社員が安全に働ける、昨日、心理的安全性の高い会社を目指したいということは申し上げましたけれども、この要素が構成するものは何かっていいますと、確かに今の会社というのは制度面は出来上がってるわけですよね。
コンプライアンスの体制っていうものはありますが、しかしこれを現実に血の通った、本当にみんなが使いやすく、日常的に自然に使えるものになってるかというと、そこに関しては、やはりまだその運用というのは難しいのかなと思います。
特に、そのハラスメントの内容によっては、自分も言いたくないものとか、そういうものもありますから。
そしてハラスメントとして、問題になる以前の未満の問題っていうのがあるのかと思います。そういうものに関しては、ではそれは、どうやってそれをなくしていくのかって言いますと、やはりその社員の“勘”が、どうやって仕事がお互いがコミュニケーションが、何を言っても大丈夫だ、何を言っても大丈夫って、とんでもないことを言っても大丈夫って意味ではなく、基本的には、自分が意見が違ってることを、きちんと言っても、それについて堂々と言えるし、安心して言えることができる。この辺は、もう有名になったGoogleの研究とかありますから、そういうところがある会社というのはやはり、健全な会社なんだろうなと思います。
もしかしたら、こういう事案が発生したということは、そういうところにまだ、足りない点があったのかもしれないというところを検証して、改善していくべきことかと思っています。
◇昨日は記者会見という形でメディアに対しての発信の場。社員の方々への挨拶や社長としての発信、説明の場は今日予定されているか?
いえ、まだ考えてませんが、本当に昨日の今日なんで。
ただ社員には、1日も早くきちんと今考えてることっていうのを伝えたいし、今非常に不安になってる方が多いですから、この不安を取り除くための作業っていうものを、少しでもできることはやっていきたいとは思っています。
◇第三者委員会が終わるまでは、まだ会見を経ても戻れないというスポンサーの方もいる。その辺りにはどういうふうに説明していく?
これ、すごい難しいと思います。要するに、何かしらスポンサーの方々には、戻れる、戻っても良いと言えるところっていうのはどういう基準なんだろうかって言いますと、こういう案件というのは、なかなかそれが難しい線引きなんだろうなと思います。
ですからこれはやはり、1社ずつ説明して回って、そして多分、視聴者の皆さんがどう思うかっていう、そこの世間の雰囲気っていうことも非常に大きいのかと思います。
ですから納得いただけるようなことをやっていくしか、本当に一歩ずつ、一歩一歩やっていくことしかないとは思うんですが、それをやることが大事かなと思っています。