×

「80年で初めて」再び土石流発生に住民驚き シカの食害原因か「花も全部食べ尽くす」滋賀・米原市

2024年7月26日 18:22
「80年で初めて」再び土石流発生に住民驚き シカの食害原因か「花も全部食べ尽くす」滋賀・米原市

 土石流が相次いで発生した滋賀県米原市の伊吹地区。度重なる災害の原因は、ある生き物の存在でした。

 25日夕方、大規模な土石流が発生した滋賀県米原市の伊吹地区。午後6時までの1時間で35ミリの大雨が降った影響とみられていて、ケガ人はいませんでしたが、一部の住宅に土砂が流れ込み、7世帯14人が避難所などで一夜を過ごしました。

 伊吹地区では7月1日にも、ほぼ同じ場所で土石流が発生。この時もケガ人はいませんでしたが、突然の出来事に住民からは驚きの声が聞かれました。

 避難住民
「なんかいつもにない『ゴー』という音がしたのよ。普通の雨だったらそんな音はしない。私、伊吹地区に来て80年近くなりますけど、初めて」

 多くの住人が口にした「初めての災害」。なぜ、立て続けに発生したのでしょうか。
 考えられる原因が―

 高橋和也カメラマン
「山頂付近にシカが見えます。何か食べていますかね。葉っぱを食べているように見えます。シカの群れですね。家族でしょうか」

 シカによる食害です。伊吹山では15年ほど前から野生のシカが増え、現在は約600頭が生息。植物が食べられ、土がむき出しになったことで、山は保水力をなくし、土砂が流れやすい状況になっていたとみられています。

 住人
「冬に雪が少ないので、シカがどんどん子どもを産む。だから増える一方。伊吹山は百名山のひとつで花畑が有名なんです。あれ(花)も全部食べつくすので」

 市の担当者によると、10年ほどで山の姿は大きく変化したといいます。

 米原市まち整備部 川瀬雅史さん
「ニホンジカだと成獣で1日3キロから5キロの草を食べるので、それが600頭ということは、植生が一気に失われる原因になってくる。石灰岩質の山なんですが、特にそういった山がどんどん白くなっていく。過去の伊吹山がなくなってしまった」

 市は滋賀県と協力して、増殖したシカの捕獲と同時に、緑化を進めていくということです。

読売テレビのニュース