大阪・ミナミの心斎橋筋商店街で起きた強盗殺人事件で、逮捕された中国籍の男が関西空港で確保された際に、中国行きの航空券を所持していたことが新たにわかりました。警察は計画的に犯行に及び、国外への逃亡を図ったとみて調べています。高級腕時計の資産価値が高まる中で、日本国内で高級腕時計を狙う犯罪が増えています。

　属ちひろ記者
　「午前８時半過ぎです。逮捕された后馭波容疑者が送検されます」

　9日朝、強盗殺人の疑いで送検されたのは、白昼堂々と大阪・ミナミの繁華街で高級腕時計を奪い、店員を殺害したとされる后馭波容疑者（27）です。現場近くの防犯カメラが捉えていたのは、犯行直後の男の姿でした。

　黒い服の男が突然、フェンスの奥の空き地に何かを投げ入れました。男は来た道を戻ったあと、再びフェンスの方に行って、今度はよじ登って乗り越えていきました。

　目撃者
　「酔っ払いか、ふざけたやつがフェンスを乗り越えて遊んでいるかと思って、注意しようと思ったが、血だらけだったので怖いなと」

　防犯カメラに映っていたのは9日朝、強盗殺人の疑いで送検された后馭波容疑者。証拠隠滅のために凶器の包丁や、犯行時に着ていた服を捨てたとみられています。

　1人が亡くなった心斎橋筋の現場には、花を手向けに来る人の姿も―。
　
　花を手向けた人
　「本当に気の毒だなと思って。真面目に働いていた人が」

　后容疑者は一昨日、貴金属販売店で6280万円相当の腕時計を奪ったうえ、店員の弘中辰弥さん（30）の腹部を刺して、殺害した疑いがもたれています。

　事件当時、スキンヘッドでサングラスをつけていた后容疑者。しかし、防犯カメラの映像では、なぜか黒い髪が―。実は、后容疑者はスキンヘッドの薄橙（うすだいだい）色のゴムマスクをかぶって変装していたというのです。

　包丁が見つかった空き地では、よく似たゴムマスクも発見。口や目の部分には穴があいていました。さらに服装も事件当時は白のTシャツ姿でしたが、映像では黒い服にかわっていて、事前に着替えを用意していたとみられています。

　后容疑者は関西空港の国際線出発フロアで確保されましたが、その際、中国行きの航空券を持っていたということで、計画的に犯行に及び、国外への逃亡を図ったとみて調べを進めています。

　近年相次いでいる高級腕時計を狙った強盗事件。大阪市内で高級腕時計などを扱う店では…。

　蔦遥香 記者
　「こちらの店では防犯対策として、カウンター越しに商品販売を行っているということです」

　腕時計の資産価値が高まる中、中古の価格もうなぎ上りだといい、防犯対策を徹底していました。
　
　ダイヤモンドセブン　光本龍生さん
　「ロレックスに『デイトナ』という時計がある。状態によっては500万円ぐらいで売られていて、定価は200万円ぐらいなので単純に倍になっている」