山火事延焼拡大1200ha以上 市街地に迫る 平成以降国内最大規模の林野火災に 岩手・大船渡市
延焼が続いている岩手県大船渡市の山火事。国内最大規模になる見通しです。中継でお伝えします。(取材 報告 属ちひろ記者)
岩手県大船渡市からお伝えします。画面の奥、左手に赤い煙突が見えると思いますが、その左手が中心市街地、その手前に大船渡湾、湾をはさんで対岸が山林火災が発生している場所です。昼間は煙が尾根から立ち上がる様子が見られましたが、今はありません。ただ、煙が一面に広がっています。
今、地元で心配されているのがこの火の手が市街地に近づくことです。風向きによっては市街地の方向に煙が流れることもあるということです。
こちらをご覧下さい。私たちも市街地のホテルに泊まっていましたが、午前3時すぎ、山の上の方にオレンジの炎が見えて、7キロほどの距離が離れていても、火の手が近づいてきているのではないかと不安に感じました。
そして、28日も自衛隊の大型ヘリも加わり、消火活動を行っていましたが、28日朝6時時点で、建物被害は84棟で、約3300人に避難指示が出されています。消防によりますと、燃え広がった範囲は27日午後5時の速報値で1200ヘクタール以上ということで、平成以降国内最大の林野火災になりそうです。
中谷キャスター
「なかなかこの出火の原因がわからいままなんですが、何か原因について聞かれましたか」
原因はなかなか分かっていないんですけれども、やはり、野焼きをする方であったり、焚火をする方であったり、季節的に多いのかなという話はありました。
中谷キャスター
「長期戦の消火活動ですが、他の地域からも応援の部隊などは入っているのでしょうか?」
大船渡市から北に車で30分ほどの場所にある釜石市の体育館を訪れました。新潟や北関東などから消防車両がたくさん集まっていて、消火活動に備えて待機している状況でした。
消防隊員の方にお話を伺うと、消火活動の難しさを口にする方が多くいらっしゃいました。その要因として地上からの消火活動に関しては、山の中で道が狭いこと、水路が悪いことなどを挙げられていました。
また、風の影響で延焼範囲が広がっていることや、上空から火元へのピンポイントの放水が難しいことも挙げられていました。
中谷キャスター
「地元の皆様も心配の日々が続きますね」
避難所で80代の女性の方にお話を伺いましたが、「気づいた時には家の裏まで火が来ていた。着の身着のまま貴重品も持たずに逃げてきた」というお話を伺いました。
また、高齢のため情報収集もなかなか難しいようで、「避難所で同じ部屋の若い方にスマートフォンなどでニュースなどを見せてもらって、なんとか家の様子を確認しようとしている」というお話も伺いました。
避難している方々は、今も大変不安な気持ちで日々を過ごしています。すぐにでも火が消えてほしい、そう話をされていました。