台風10号は、29日午前8時ごろに鹿児島県薩摩川内市付近に上陸し、その後も九州地方から四国や近畿に向かって、東よりにゆっくりと進んでいます。30日の午前0時に、風速25メートル以上の暴風域がなくなり、このあとは勢力は弱めながらも、スピードはほとんど上がらず、週末は近畿地方付近に停滞する恐れがあります。（30日午前11時現在）

■台風10号の概要（30日午前11時推定）
・大分県国東市の北約30キロに中心、暴風域はなし
・中心の気圧は994ヘクトパスカル
・中心付近の最大風速は20メートルで最大瞬間風速は30メートル
・強風域は大きく、近畿地方も兵庫県や和歌山県、大阪府、京都府と奈良県の県の一部がかかっている
・このあとも東よりにゆっくりとした速度で四国から近畿に進む

■ポイント
・動きが遅く影響が長引き、2日（月）頃にかけて停滞する可能性も。
・勢力は段々と弱まり、暴風の恐れは一部地域に限られるが、台風周辺の暖かく湿った空気に伴う雨雲がかかり続け、広範囲で雨の量は多くなる。
・特に南部中心に雨量が多くなり、土砂災害などのリスクが高まる。
・30日（金）夜から1日（土）午前中にかけては、近畿地方でも線状降水帯が発生する恐れがある。

■近畿への影響
※進路によって今後も大きく変化する可能性があります

・雨風のピークは30日（金）～1日（日）ごろ、2日（月）にかけて影響が長引く恐れも。（特に雨について）
・きょう30日（金）から段々と風が強まり、最接近の31日（土）～1日（日）にかけては、沿岸部を中心に強風が続く恐れ。一部地域では警報級の暴風の恐れも。
・雨は台風接近前から南部を中心に強まる所があり、広範囲で雨が断続的に降り、期間を通して雨量が多くなる。
・特に紀伊半島の山沿いを中心に降水量が多くなり（総雨量600ミリ以上、雨量の多い地域でも8月の一か月分の平年の雨量を大きく超える恐れ）、土砂災害などの危険度がかなり高まる。河川の氾濫にも警戒。
・高波にも警戒。すでに南部を中心にうねりを伴った高波が届いていて、1日（日）にかけてもしける恐れ。
・30日（金）夜～31日（土）は警報級の高潮の可能性も。
・鉄道は計画運休、大幅な遅延の可能性。高速道路も通行止め、飛行機も欠航が相次ぐ可能性が大きい。

■風の予想

▽30日に予想される最大風速（最大瞬間風速）
・近畿北部陸上 12メートル （25メートル）
・近畿北部海上 15メートル （25メートル）
・近畿中部陸上 17メートル （30メートル）
・近畿中部海上 20メートル （30メートル）
・近畿南部陸上 15メートル （30メートル）
・近畿南部海上 20メートル （30メートル）
▽31日に予想される最大風速（最大瞬間風速）
・近畿北部陸上 12メートル （25メートル）
・近畿北部海上 15メートル （25メートル）
・近畿中部陸上 17メートル （30メートル）
・近畿中部海上 20メートル （30メートル）
・近畿南部陸上 15メートル （30メートル）
・近畿南部海上 20メートル （30メートル）

■波の予想

▽30日に予想される波の高さ
・近畿北部 3メートル
・近畿中部 5メートル うねりを伴う
・近畿南部 5メートル うねりを伴う
▽31日に予想される波の高さ
・近畿北部 3メートル
・近畿中部 5メートル うねりを伴う
・近畿南部 5メートル うねりを伴う
▽9月1日に予想される波の高さ
・近畿北部 3メートル
・近畿中部 3メートル
・近畿南部 4メートル うねりを伴う

■雨の予想

▽30日に予想される1時間降水量は多い所で、
・近畿北部 40ミリ
・近畿中部 50ミリ
・近畿南部 50ミリ
▽31日に予想される1時間降水量は多い所で、
・近畿北部 50ミリ
・近畿中部 50ミリ
・近畿南部 50ミリ
▽30日6時から31日6時までに予想される24時間降水量は多い所で、
・近畿北部 120ミリ
・近畿中部 180ミリ
・近畿南部 200ミリ
▽その後、31日6時から9月1日6時までに予想される24時間降水量は多い所で、
・近畿北部 150ミリ
・近畿中部 200ミリ
・近畿南部 300ミリ
▽その後、1日6時から2日6時までに予想される24時間降水量は多い所で、
・近畿北部 150ミリ
・近畿中部 200ミリ
・近畿南部 200ミリ

線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。

線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性のある地域は、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県で、30日夜から31日午前中にかけてです。