【速報】京都仏教会が北陸新幹線の延伸計画に強い"反発"「千年の愚行」 地下水脈への影響懸念「京都が京都でなくなる」
北陸新幹線の延伸計画について地下水の水脈への影響を懸念した京都仏教会が19日、京都府に対して「計画の再考」を求めました。京都仏教会は京都府内の約1100の寺院で構成される団体です。
北陸新幹線は2024年12月現在、福井県小浜市を通り京都市内を通る「小浜・京都ルート」の詳細な経路を決定するため、与党のプロジェクトチームによる議論が最終盤を迎えています。着工は来年度を目指していて、京都市内を通る3つの案が示されています。1つ目は、JR京都駅を横断する「東西案」、2つ目は縦断する「南北案」、そして3つ目がJR桂川駅周辺に作る「桂川案」で、いずれも京都市内に長大な地下トンネルが建設される予定です。
この地下トンネルについて京都仏教会は、京都府の地下水の水脈を途絶し地盤沈下を引きおこすなどの影響を危惧しているとして、京都府に北陸新幹線の延伸計画を再考するよう要望しました。要望書には、北陸新幹線の計画について「千年の愚行」などと書かれていて、強い反発が示されています。
要望書には「全体の80%がトンネルとなる小浜・京都ルートは、豊かな水の恵みによって成り立っている京都が京都でなくなる計画であります。トンネルによって京都の1200年の歴史と未来が揺らごうとしている」と書かれています。そして「自然は人の支配の対象ではなく、敬いながら共存すべきであるという仏教の教えにも著しく遊離するこの計画は『千年の愚行』であり、京都仏教会は計画の再考を強く求めるものであります」と締められています。
要望書を受け取った京都府の西脇隆俊知事は、「北陸新幹線にあたっては、地下水をはじめ課題がある」としたうえで「我々も適切に真摯に対応していきたい」と答えました。
読売テレビの取材に対し、京都仏教会の宮城泰年常務理事は、「私たちは市民側の立場で代弁しなければならないと思っています。昔から京都は水の神を非常に大事にしてきた盆地。水に対する信仰が強いし、民間行事も産業も水を使ったものが多い。ほかにも膨大な残土の処理、残土を運ぶトラックによる破壊的な混雑など、市民生活を踏みにじることと経済の発展とを考えたら釣り合わないことが大いにあると思います。事業費も莫大で、これからどれだけ増えるかわからない」とコメントしています。