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「歯が生える薬」の治験開始 歯が生えない「先天性無歯症」に希望 京大など研究グループが開発

2024年10月18日 19:38
「歯が生える薬」の治験開始 歯が生えない「先天性無歯症」に希望 京大など研究グループが開発

 生まれつき、本来生える歯が生えない「先天性無歯症」の患者に向けて、京都大学や北野病院などの研究グループが開発した「歯が生える薬」の治験が18日始まりました。

 「先天性無歯症」は生まれつき、本来生えるべき歯が生えなくなる疾患で、全国で約12万人の患者がいるとされています。京都大学や北野病院などの研究グループは、「先天性無歯症」の患者に向けて30年ほど前から「歯が生える薬」の研究を行っていて、 治験をこの日から開始したと発表しました。

 研究グループによりますと、ヒトには乳歯、永久歯に次ぐ第3の歯が生える「芽」があり、特定のタンパク質が歯の成長を抑えることで、歯が生えなくなってしまうということです。

 「歯が生える薬」は、このタンパク質の働きを止めることで、 歯が生成されるようになる仕組みで、マウスやイヌにも効果があったということです。

 北野病院 歯科口腔外科 髙橋克 医師
 「よく言われますね、(歯は勝手に)ピッと生えてくるんちゃうか、とよく言われるんですけど、それはないんです。なぜかというと(歯茎に)歯の芽があって、歯の芽(の育成)が止まっているのを(薬で)外す」

 治験は30歳から65歳の健康な男性を対象に開始し、安全性が確認されれば、2歳から7歳の4本以上歯がない子どもに対しても行い、2030年ごろの実用化を目指すということです。

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