世界で話題…奇策の高川学園 国立への想い
記念すべき第100回大会の全国高校サッカー選手権。注目は準決勝進出を決めた山口県代表・高川学園。
今大会、セットプレーの奇策「トルメンタ」が世界でも話題になっています。そんな高川学園がゴールを決めると掲げるのがキャプテンマーク。そこには大会直前に負傷した主将への想いがありました。
◆世界でも話題 奇策「トルメンタ」
高校サッカー1回戦。ゴール前でフリーキックを獲得した高川学園。するとペナルティーエリア内の選手たちは手をつなぎ、円陣を組むとそのままグルグルと回転。ボールが蹴られる直前にばらばらになり、相手のマークを混乱させて得点を奪いました。
実はこのプレーはスペイン語で「嵐」という意味を持つ「トルメンタ」と呼ばれるプレー。海外メディアでも「面白い!」「阻止するのは不可能だ」と絶賛されています。
選手自らで考えたというこの作戦。「話題性を求めてやったわけじゃないですけど自分たちで考えて作ったものが評価されてよかった」と試合後にはコメントしました。
◆得点後に掲げるキャプテンマーク
そんな高川学園は得点を決めるとキャプテンマークを掲げます。その意味は高川学園の主将・奥野奨太選手に向けたメッセージ。
実は大会の1週間前、奥野主将は左ひざに全治5か月の大けがを負い、出場ができなくなりました。しかし、そんな奥野主将には記念すべき100回大会の選手宣誓という大役が残されていました。
「自分が大けがをしてしまって、自分に何が残されてるのかなって考えた時に選手宣誓という大役も残されていましたし他の方々にはできないような経験ができたので神様が自分を見放さず支えてくれてるのかなって思いました」
足を引きずりながらの選手宣誓。この姿を見たチームメートは奥野主将を「国立に連れていく」という強い思いを胸に戦っています。
◆つかんだ国立の切符
準々決勝に勝利し、見事国立で行われる準決勝の切符をつかんだ高川学園。
準決勝の相手は3大会連続で決勝に進出している優勝候補筆頭の青森山田。強豪との対戦に奥野主将は、「自分たちが持っているセットプレーはすべて出した訳ではないのでチャレンジャー精神を持って青森山田と戦いたい」と力強く語りました。
また、準々決勝で決勝点を決めた西澤選手は「あと2つ勝って必ず日本一になって、日本一のキャプテンだったと奥野に伝えたい」と熱い思いを語りました。