【高校サッカー青森全力応援】雑草魂で這い上がる前回王者「青森山田」を応援したい5つのこと
12月28日に開幕する第103回全国高校サッカー選手権大会に出場する青森山田は、31日の2回戦では山口県代表・高川学園とNACK5スタジアム大宮で対戦します。
青森県代表・青森山田の応援したい5つのポイントを紹介します。
1.ディフェンディングチャンピオンの重圧
前回、102回大会で4度目の日本一に輝いた青森山田。素晴らしい景色を見せてくれた先輩方でしたが、その栄光は後輩にとっては大きな重圧です。「今年の山田はどうなんだ?」そんな言葉を聞く度プレッシャーを感じる1年の始まりでした。
選手たちの合言葉は、雑草魂。力のなさを見つめて、受け入れてからがスタート。とにかくがむしゃらに、全力で、何でもやるのが今年のテーマです。厳しい練習で自分を高め、オフの日にも集まるミーティングでチームワークを深めました。
2.県内を突破する重圧
キャプテンの小沼蒼珠選手(3年)は「県大会の決勝が1番緊張する。生きた心地がしない」と話します。全国屈指の強豪は、県内400連勝を超える大記録を更新中です。1度の負けが四半世紀続く記録を止める重圧。
高校生が背負うあまりにも大きなプレッシャーの中、今年の青森県大会決勝は八戸学院野辺地西に先制される展開でした。それでも前半終了間際にエース石川大也選手(3年)のゴールで追いつくと、後半立ち上がりに獲得したPKを沈め、終盤にも追加点。3-1の逆転勝利を収めました。
28大会連続の全国出場。この数字の重みが青森山田を強くします。
3.雪国のハングリー精神
練習して、調整して、ベストなコンディションで全国大会を迎えたい。しかし青森市は有数の豪雪地帯。12月の練習はグラウンドの雪かきから始まります。選手権が迫るにつれ、本格的な冬になり、雪かきをした上から容赦なく雪が降り積もる日々となります。それでも「この雪を成長に繋げる。雪があるから強くなれる」と語る選手たち。
ピッチは滑り、足を取られるから足腰が強くなる。限られた時間と環境だから、ひとつのプレーに魂を込める。屈強なフィジカルやチャンスを決めきる強さは雪国のハングリー精神から生まれます。
4.メンバー間での競争
そんな厳しい環境を追い求めて全国から選手が集う青森山田は、部員200名を超えます。AからDチームまで存在し、毎日がレギュラー争いです。今スタメン出場している中にも春の時点ではBやCチームだった選手がいます。
5.私生活の模範「寮長」石川大也
Bチームからスタートし、この1年でエースに成長。青森県大会の決勝で3ゴールに絡んだのが9番・石川大也選手です。
100人以上在籍する学生寮の代表生徒「寮長」を務めます。挨拶や礼儀、掃除の手本となる役目ですが、ピッチの上でも手を抜きません。
ストライカーながら前線からハイプレスをかけて、ボールを奪われたら自陣まで全力で戻ります。「球際・切り替え・ハードワーク」青森山田の合言葉を体現します。
青森山田の初戦は12月31日に行われる高川学園との2回戦。チャンピオンの重圧、青森の冬、チーム間の競争。全てを乗り越えた絶対王者は、全国の舞台で大輪の花を咲かせます。
取材・文 青森放送報道局アナウンス部 板橋優磨