【高校サッカー山口全力応援】全力ハードワークで日本一へ「高川学園」を応援したい5つのこと
1.文武両道 中高一貫校の強み
前身の多々良学園時代を合わせ、今年で創立146年を迎えた高川学園。2007年には高川学園中学校が開校し学業、部活動ともに中高一貫での教育に力を入れています。今年はオオサンショウウオの研究や保護啓発活動に取り組む科学部が県内の団体としては初めてとなる日本自然保護大賞を受賞。
またスポーツでの活躍も目覚ましく、高川学園中学サッカー部は今年8月の全国中学校体育大会で3位入賞を果たしました。高校では、男子バレーボール部が10月の国民スポーツ大会で準優勝、女子バスケットボール部が創部5年目でウインターカップ初出場を決めるなどサッカー部以外の部活動も非常に盛んです。
2.最高成績はベスト4 30回目の選手権で悲願の日本一へ
中でも創部79年目を迎えたサッカー部はインターハイ出場が26回、選手権出場が30回目とともに山口県勢最多で、選手権全国大会での最高成績はベスト4(84回大会、86回大会、100回大会)と全国でも好成績を残しています。Jリーガーとして活躍するOBも多く、来年は田中誠太郎選手(立正大4年)がJ3テゲバジャーロ宮崎に加入することが内定しています。
今大会の初戦となる2回戦で対戦する青森山田は、100回大会の準決勝で大敗を喫した相手です。キャプテンのDF沖野眞之介選手(3年)は前回大会王者との対戦を前に、「自分たちがボールを持てる時間は絶対にある。高川学園が勝ったという情報を全国に広めたい」と意気込んでいます。
強豪揃いのAブロックを勝ち抜き「日本一」を目指します。
3.地区大会決勝でFW大森風牙(2年)がハットトリック
11月17日に行われた選手権山口大会決勝。6連覇を狙う高川学園は、43大会ぶりの全国出場を目指す小野田工業と対戦しました。「攻守でのハードワーク」を掲げる高川学園と「直走る」をテーマに走力を生かしたサッカーを展開する小野田工業の一戦。
高川学園は前半3分にDF柿本陽佑選手(3年)がコーナーキックにヘディングで合わせて先制します。前半15分に同点に追いつかれましたが、そのわずか1分後に高川学園のFW大森風牙選手(2年)がFW田坂大知選手(3年)のスルーパスに反応し勝ち越しゴールを奪います。大森選手は後半9分にも左サイドからのクロスに左足のボレーシュートで追加点。その後1点を返され3対2で迎えた後半アディショナルタイムには、右サイドからのグラウンダーのクロスに合わせてハットトリックを達成しました。
「クロスへの入り方がよかった」と3ゴールを振り返る大森選手は石川県出身の2年生。自身が中学3年生の時に選手権100回大会の1回戦で地元石川の星稜と高川学園が対戦した試合を観戦し、「高川学園のサッカーはいろんな発想があって面白い」と入学を決断しました。
また、当時の高川学園のキャプテンは自身が中学時代に所属したパテオFCの出身で、ことしキャプテンを務めるDF沖野眞之介選手(3年)もパテオFC出身の先輩です。先輩の背中を追いかけ山口で成長を誓う2年生ストライカーが全国の舞台での活躍を誓います。
4.当たり前のハードワーク
高川学園といえば100回大会で世界中から注目を浴びた「トルメンタ」などのセットプレーが注目されがちですが、チームが目指すのは「ハードワークを徹底し、いい守備からいい攻撃に繋げる」というスタイルです。
「戦術理解度が高く、特徴ある選手が揃う」と江本孝監督が話すように、全員が連動したアグレッシブな守備で前線からプレスをかけ、高い位置でボールを奪ってリズムを作ります。
またこの1年は、練習後に部員全員がプロテインを摂取することや、GPSチップで試合中の走力を測定し各選手へフィードバックすることなど、選手たちが自信を持ってサッカーができる環境づくりにも取り組んできました。
5.全国大会でメンバー入り もう一人の主将DF荒谷一冴選手(3年)
ことしのチームには2人のキャプテンがいます。DF沖野眞之介選手(3年)とDF荒谷一冴選手(3年)です。
1年生のころから全国大会のメンバーに入りピッチの上でチームをまとめる沖野選手に対し、学校では生徒会長を務め主にピッチの外でチームをまとめる荒谷選手。
そんな荒谷選手がこの1年力を入れてきたのが、各部活動のキャプテンが集まって学校生活や部活動について話し合う「リーダーズ会議」です。ことしは荒谷選手やこのリーダーズ会議を中心に新しい応援歌「Viva 高川」を考案。
地区大会はメンバー外だった荒谷選手は「ピッチの上では沖野選手が戦ってくれている。新しい応援歌で選手の背中を後押ししたい」と話していました。
集大成となる全国大会は荒谷選手も30人の登録メンバーに選ばれ、2人のキャプテンを中心に日本一を目指す高川学園。初戦は12月31日に行われる青森山田との2回戦です。
前回大会王者を破り、全国の頂点に近づくことはできるでしょうか。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/山口放送)