マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチローさんが22日、高校野球女子選抜で対戦した選手たちへ向け講演会を行い、50歳でプレーを続ける野球への思いを語りました。

前日の高校野球女子選抜の試合では、9番投手で出場。9回116球を投げ完封勝利を挙げました。また引退後では最速となる138キロをマーク。打者としてもヒットを放ち、ダイヤモンドで輝きを放ちました。

講演会では“今でも野球を続けられている秘訣”について尋ねられたイチローさんは、「僕好きだね、野球」とくい気味に即答。

続けて「好きだし、昨日もそうだったんだけど、練習するときに必ず“その日の限界”を迎えるように練習しているんだよね。これ以上やったら次の日動けなくなっちゃうとか、これ以上やるとケガしちゃうとか感じるけれど、それを毎日繰り返す。そうしないと、うまくなれないし、強くもなれない」と熱く語りました。

また、「緊張感があるよなとか、遊びの野球だとこういう気持ちにはならないし、これだけ緊張するということは自分がそれなりに準備してきた“証し”でもあるからうれしい。これは真剣勝負だから味わえること。だからいまだにグラウンドの上でみんなとこうやって本気で対戦できることが、怖さもあるけど、野球をやっていて幸せな気持ちになる」と、思いを伝えました。

前夜は引退後の自己最速138キロをマーク。「去年までの最速は134キロで、135キロの壁があったんだよね、僕の中で。50歳になって球速が上がることは自然なことではないでしょう？」と笑みをこぼします。「でも、毎日限界を迎える練習をしているとこうなる。50歳になってもそれができるという感触は僕にとって大きいですよ」と話しました。

また、「僕は続けることが得意。得意というかストレスじゃない。信じていいものだというものはずっと続けられる、そういう性質がある」と前置きし、「嫌いなこと、無理やりやらされているならとてもできないし、うまくなろうという気持ちにもならないから、“好きである”ということはすごく大事なことだとずっと感じています」と、改めて野球への思いを口にしました。