テレビマン長谷川貴大 東京パラ代表内定
28日、東京・夢の島公園で行われた東京パラリンピック、アーチェリー代表の国内最終選考会最終日。パラリンピック本番の舞台でもあるアーチェリー場で、男子リカーブ、男女コンパウンド、男子W1(四肢まひなどのクラス)の各種目から、それぞれ1名の内定選手が誕生しました。
リカーブ男子代表に内定したのは、長谷川貴大選手(31)。長谷川選手は小学3年生で「ユーイング肉腫」と呼ばれる小児がんを発症。右足を太ももから切断し、義足で生活するように。好きだった野球ができず、家に引きこもるようになった長谷川選手を変えたのは、アーチェリーだったといいます。「外に出るきっかけになったし、アーチェリーが上手くなりたいから、杖をはずして歩こうと思った。アーチェリーなしで僕の人生はないと思っている」。
小学5年生で本格的にアーチェリーを練習し始めると、中学、高校と順調に実力を伸ばし、早稲田大学1年生で北京パラリンピック代表に選出。個人16位、団体で4位の成績を残しました。世界の舞台で活躍する一方、2012年には大学を卒業し、日本テレビに就職。平日は夕方までアーチェリーの練習をし、夜は『news zero』のスポーツコーナーでディレクターを務める、多忙な日々を送っています。
迎えた28日の東京パラリンピック代表国内選考会、最終第3ラウンド。初日の27日に行われた2ラウンドの点数と合計し、得点の最も高い選手が代表に選ばれます。
長谷川選手は、2ラウンド終了時点で1233点をマークし、暫定1位。2位の選手を276点リードしていました。優勢な展開にも気を緩めず「自分と的に集中した」と語る長谷川選手は、最終ラウンドも安定した射ち方で、72射616点を記録。合計1849点で勝利し、東京パラリンピック代表に内定しました。「1年延びて(決まるまで)すごい長かったな…という気持ちです。勝てて本当に嬉しいです」と、ホッとした表情を見せた長谷川選手。「もっと実力をつけて、東京パラリンピックでメダルを獲得できるように頑張りたい」と、夏の本番向け意気込みを語りました。
この朗報を誰に伝えたいか聞かれると「まず、まっさきに、ここにいる妻に伝えたいと思います。いつも応援してくれて、ご飯も作ってくれたので、ありがとうと伝えたいです」と答えた長谷川選手。
実は今月9日に結婚。新妻・紗欧里さんは2日間の試合中、常に望遠鏡をのぞき、矢が当たった位置を確認。長谷川選手が狙いを修正できるよう合図するなど、すぐ傍で、夫を支えていました。試合後、紗欧里さんは「本当に私が緊張しちゃって、うまくサポートできたかな、どうだろう。(代表内定が決まり)安心したというところと、すごく嬉しかったです」と、マスクから大きく溢れる笑顔。
夫婦二人三脚で、パラリンピック表彰台を目指します。
■国内最終選考会で代表に内定した選手
男子リカーブ:長谷川貴大選手(31=日本テレビ)
男子コンパウンド:宮本リオン選手(37=テー・オ-・ダブリュー)
女子コンパウンド:永野美穂選手(42=大同生命保険)
男子W1:大山晃司選手(29=警視庁)