亀井「引退すること怖かった」引退会見1
巨人一筋17年、2009年のWBCには日本代表として世界一にも貢献したプロ野球・巨人の亀井善行選手(39)が21日に引退会見を行いました。「引退することが怖かった」と当時の心境や、引退に至った理由を語りました。
冒頭挨拶では「今シーズン限りで引退することに決めました。原監督はじめコーチの皆さん、チームメート、スタッフの皆さんには、長い間一緒に戦えてうれしく思います。感謝しています」と述べました。
以下、会見の主な内容
――引退を決意した時期、理由?
今季の数字、成績もそうですけど、昨年のケガで今季オフにスタートしたんですけど、トレーニングも積んできました。ですが、完治することはなく、今季も戦ってきた。いいプレーができないというふうに感じました。
自分の中ではこういう数字になるとはシーズン前から少し感じてました。開幕戦は代打でサヨナラ弾打ちましたけど、あれが今年一番の当たりだったなと思います。
5月に引退を決めました。大塚副代表、原監督には9月上旬に伝えたんですけど、自分の中では5月に引退することは決めてました。
――納得できないプレー、瞬間があったのか?
自分の中で「困ったときに亀井がいる」と思われるような選手になりたいと言ってきましたし、その中でケガの影響で自分の打撃を崩してしまった。
思い通りのバット軌道が描けない。結果が全てなので、結果が出ない時期が長かったので、治りそうにないという判断でしたね。
――引退の要因となったケガについて?
股関節、左の軸足、内転筋で肉離れが3か所発症し、まひ症状が出てしまいました。それが治らなかったと。いまでも治ってないということですね。
――引退を考える際に相談した相手?
1人で悩みました。家族にも5月に決めたときは怖くて言えなくて。本当に悩んだというところですね。まあ、なんていうか…今年で妻には『もしかしたら覚悟はしておいてくれ』とは伝えたんですけど、ちょっと濁した感じで。はっきりは言えなかったです。
――家族へはいつ伝えたのか?
“本当に辞める”ってことが自分自身も想像できなくて。家族には一番最初に伝えなきゃいけないんですけど、引退することが怖くてなかなか言えなかったです。
9月上旬、大阪で大塚副代表と原監督に伝えた後に両親、家族には伝えました。
――引退を知った際の家族の反応は?
本当にその反応が怖くて言えなかったんですけど、正直戸惑っていた感じでしたけど、「よく頑張ったね」といってもらいました。子どもは本当に嫌がってたというか、「本当に辞めちゃうの」って感じでしたね。
――家族への思いは?
プロに入る前から、自分を見ていてくれて、本当にここまで不安ばかり与えていました。子どもたちにも正直学校で何か言われているんじゃないかと不安しかなかったですけど、我慢してくれて感謝しています。
これからプレーしてる姿は見せられないですけど、一生、一緒にいると思うのでまずはお礼を言いたいですね。本当にありがとうございました。
――ファンへ伝えたいことは?
本当に17年間長いようで短かったと言うんですか、あっという間でしたけどファンの皆さんに支えられてここまでやってこられました。
温かい声援に本当にパワーもらえました。あの大歓声のおかげでサヨナラ本塁打とかを打てたと思います。ファンのみなさんにも本当に感謝しかないですね。本当にありがとうございました。
◆亀井善行
1982年7月28日、奈良県生まれ。中央大学から2004年にドラフト4位指名を受け、2005年、巨人に入団。2009年WBC日本代表として世界一。同年にゴールデングラブ賞を獲得。2021年にはプロ野球史上初となる開幕戦代打サヨナラ本塁打を放つ。