15日16日の週末は、中学校の各地区の総合体育大会「中総体」が行われました。近年はサッカー・野球・バレーボールなどで、学校単位の部活動ではなく…
クラブチームを選択して出場する選手も増えています。

このクラブチームも例えばサッカーではJリーグチームが運営するいわゆる下部組織のクラブもあれば、一定の地域の選手が集まるいわゆる「街クラブ」というものもあります。

そのひとつが本荘由利地域のサッカーの発展のために、と立ちあげられた街クラブFCエストレージャです。将来につなげる育成年代の成長を後押しするクラブチームの思いを取材しました。

今月行われた「高校」総体。男子サッカーで優勝したのは黄色に青いラインのユニホーム、由利本荘市の西目高校でした。

その西目と同じような黄色に青のデザインですが。胸には…星を意味するスペイン語『エストレージャ』の文字。

本荘由利地域を中心に活動する中学生のクラブチーム、FCエストレージャです。

今野学監督
「今じゃなくて高校になったときのことを見据えて、この子たちがどう成長できるかを見たいと思っています」

本荘由利地域は、JFL時代のブラウブリッツ秋田や、その前身のTDKサッカー部の活動拠点でした。

古くからサッカーが盛んで、多くの中学サッカー部が全国大会出場の経験がある本荘由利地域。しかし近年は少子化の影響で部活動でチームを組めなかったり、能力の高い選手が他の地域や県外に流出したりと、元気がなくなってきていました。

そんな中で「地域の子どもたちの選択肢の一つに」と、7年前に立ちあげられたのがこのエストレージャです。

今月の高校総体で優勝した西目高校の登録メンバーも、半分ほどがこのエストレージャの出身で、地域のサッカーの盛り上げにつながり始めています。

15日、クラブチームの全国大会出場をかけた東北大会の一回戦に臨んだエストレージャ。相手はJ3・ヴァンラーレ八戸の中学年代のチームです。

序盤から相手のプレッシャーの速さに苦しみ、攻め込まれるシーンが目立ちます。

前半、1点をリードされたエストレージャ。

ハーフタイムに今野監督は
「このプレッシャーが普通の中で、やれるようになんなきゃいけないんだから。これが当たり前なんだ。相手がいいんじゃなくてこれが当たり前。このプレッシャーが当たり前。この中で君たちが何ができるかが大事。わかった？だからいい。この中でやれ。楽しめもっと。そうやったら勝てるから。点取ってこい。いいかな」

今野学監督は、先の成長を見据えて声をかけ、後半へ、選手を送り出しました。

気持ちに余裕が生まれたエストレージャの選手たちは後半12分、MF高橋のゴールで同点に追いつきます。

同点弾の高橋選手
「ビハインドだったので絶対に決めてやるという気持ちで打ちました」「自分でもやってやったなていう感じがしました」

さらに試合終了間際。

中盤でボールを奪った10番の木内。ボールを運び、外に展開。最後は7番の須田が決勝ゴールを決めました。

木内・須田の2人も、目の前の勝利に喜びながらも、その先のステップアップを見据えています。

逆転弾の起点となった木内勇翔選手
「高校につなげたいですね」「スーパーになって誰よりも輝く選手になりたいです」

逆転ゴールの須田陽向選手
「いろんなところでやって活躍して、秋田でも恩返しできるぐらいうまくなりたいと思います」

今野学監督
「この先のサッカー感・サッカー人生においてほんの、ほんの一部分、ほんの1コマでしかないんですけども」「これを将来の自分たちの糧にできるような」「そういうきょうの試合の結果につながって、なってもらえればなと思います」

「お疲れ様でした」「地元開催だから1・2年生も全員来たよな。」「君たちの背中を見てみんな育つから。後輩は君たちの背中を見て次に進もうとするから。だからナイスゲーム」「街クラブがここまで出来るんだってみせてやれ、いいかな。」

地域の星を目指すエストレージャの挑戦はこれからも続きます。

全国的には私立の高校サッカー部の強豪が、中高一貫6年の指導を目指してクラブチームを作り、成績をあげているところも増えています。

秋田は公立高校が多く、少し事情は違うとは思いますが、クラブにせよ、中学部活動にせよ、一体となった強化で、次のステージに選手を送り出すことが必要になっていくと思います。