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【高校サッカー】愛知・名古屋“三度目の正直”創部65年目で悲願の初全国

2023年12月18日 6:30
【高校サッカー】愛知・名古屋“三度目の正直”創部65年目で悲願の初全国
悲願の初全国を決めた愛知・名古屋高校
12月28日に東京・国立競技場で開幕する『第102回全国高校サッカー選手権』。愛知県代表の名古屋は、29日に宮崎県代表・日章学園との初戦を迎えます。まずはPK戦までもつれた愛知県大会決勝を振り返ります。

◇ ◇ ◇

愛知県大会決勝は、四半世紀ぶり、県勢最多20回目の全国を狙う古豪・刈谷と、過去2回、県の決勝で涙をのみ、3回目の挑戦で初の全国出場を目指す名古屋の対戦。愛知県勢で唯一プリンスリーグに所属する刈谷と、愛知県1部リーグ首位に立つ名古屋が顔を合わせた決勝は、愛知県の頂上決戦にふさわしい激闘となりました。

刈谷は序盤から縦パスを効果的に織り交ぜ、試合の主導権を握ります。プリンスリーグで培った守備の強度も健在で、相手に隙を与えません。

対する名古屋は、押し込まれながらも県大会21得点中13得点を叩き出している得意のセットプレーと、DF月岡陸斗選手(3年)のファーポストまで届くロングスローで得点を狙います。しかし両者決めきれず、0-0で前半を終えました。

後半に入っても刈谷の時間帯が続き決定機を迎えますが、名古屋のGK小林航大選手(3年)が見事なセーブを見せ、ゴールを割らせることなくスコアレスで80分が終了、延長戦へ突入します。

しかし名古屋は80分間で交代枠5人を使い切っていたため防戦一方。それでも今大会わずか1失点の守備陣は崩れること無く守り切り、決着はPK戦へ。

ピンと張り詰めた空気の中、刈谷2人目のPKをGK小林選手が見事に読み切りセーブします。その後、4-3で迎えた名古屋は5人目、FW山本凜蔵選手(2年)がゴール左隅に蹴り込み試合終了。

コロナ禍以降最多となる観客4,300人の前で繰り広げられた熱闘は名古屋の歓喜で幕を閉じました。

就任9年目、悲願の全国切符を掴んだ名古屋・山田武久監督は試合後涙を流し、「頑張った選手に感謝。愛知県代表としての責任をしっかり果たしてきます」と話しました。

勝利に大きく貢献したGK小林選手は「チャレンジャー精神を持って一試合ずつひたむきに頑張っていきたい」と全国への思いを語りました。

セットプレーを武器に3度目の正直を果たした名古屋。愛知県勢8年ぶりの初戦突破に向けて、1回戦は12月29日(金)、ゼットエーオリプリスタジアムで宮崎県代表・日章学園と対戦します。

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/中京テレビ放送)