【高校サッカー神奈川全力応援】神奈川で14年ぶりに誕生した初優勝校「東海大相模」を応援したい5つのこと
1.全国クラスを多く抱え、部活動が盛んな校風
東海大相模といえば…原辰徳さん、菅野智之選手など数々のスター選手を送り出してきた野球部が真っ先に思い浮かぶという方も多いのではないでしょうか。今年の夏も甲子園ベスト8。過去、春夏通算5度の全国優勝を誇る名門中の名門です。
その他、花園出場10度のラグビー部、数々の五輪金メダリストも輩出している柔道部、そして陸上部など、全国的な強豪と言われる部活が多いのも東海大相模の特徴です。
2.強化から14年。悲願の選手権初出場
サッカー部の強化が始まったのは2011年。東海大五(現東海大福岡)から有馬信二監督が、東海大相模へ赴任した時でした。「グラウンドも土、ゴールも錆だらけ。しばらくは選手権の県一次予選で敗退していた」と有馬監督が言うように、ここまで決して平坦な道のりではありませんでした。
そこからグラウンドの人工芝化をはじめ、環境が徐々に整い、部員数も現在は180人まで増加。2017年にはインターハイで、念願の全国の舞台へ。強豪ひしめく神奈川の中でも常に上位争いに加わる力を着実につけていきます。
そして強化から14年目の今年。夏は4度の全国出場歴があるものの、なかなか届かなかった冬の全国、選手権の切符をついに掴みました。
3.強豪、全国の常連がひしめく激戦区突破
選手権地区大会では、準決勝で神奈川3連覇を狙う日大藤沢と対戦。U19日本代表の布施克真選手をはじめ、攻守にタレントが揃い、多彩な攻撃が持ち味の日大藤沢に対し、試合は互角の展開。延長を含めた100分間でも決着はつかずPK戦へ。結果は4-2で東海大相模の勝利。創部初となる選手権神奈川大会の決勝進出を果たします。
決勝は、夏の全国ベスト8桐光学園を破った横浜創英と、互いに初優勝をかけた一戦となります。「先制点がカギ」という有馬監督。前半37分、右サイド辻将輝選手(3年)の背後へのクロスに抜け出した背番号10番沖本陸選手(3年)が、左足で合わせて先制。
その後、横浜創英も丁寧な組み立てからゴールに迫るシーンを作るものの、後半7分、先制ゴールの沖本選手のラストパスから、小林晄也選手(3年)が右足を一閃。貴重な追加点を挙げます。
そのまま無失点で横浜創英の攻撃を凌いだ東海大相模が決勝戦を制し、神奈川では2010年度の座間以来となる初優勝を果たしました。
4.卓越した技術を活かした「パスサッカー」と新スタイル
創部初の選手権全国大会でも貫きたいのが、伝統の「パスサッカー」。普段、ラグビー部などとグラウンドをシェアするため、ピッチの半分以下のスペースで練習をするサッカー部。その環境を逆手に取り、狭いスペースでも打開できる足元の技術と判断スピードを磨いてきました。
さらに今年は、今まで行っていなかった本格的なウエイトトレーニングや、茨城県波崎での砂浜トレーニングなど、肉体作りと体力作りを実施し、従来の「上手さ」に「走力と強度」が融合。新たな東海大相模スタイルで全国の猛者たちに挑みます。
5.全国の雪辱は全国で
新チーム以降、2度目の全国の舞台に挑む東海大相模サッカー部。チーム全体の意識が変わるきっかけとなったのは夏のインターハイ。創部以来最高となるベスト16という結果を出したものの、帝京長岡との3回戦では、0-4と悔しい結果に。ボールを動かす似たスタイルの相手に完敗したことが、チームで取り組むすべての基準を上げるターニングポイントになりました。
新チーム発足時、有馬監督が、OB達に伝えたという言葉。「ようやく先輩達を超えるチームが出来るぞ」。
創部初の選手権初戦は、12月31日に行われる滋賀県代表・草津東との2回戦。東海大相模の歴史に「選手権」という新たな1ページを加えた期待の世代が、年末年始の全国で旋風を巻き起こせるでしょうか。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/テレビ神奈川)