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目指せ!パラリンピックの表彰台 陸上・日本代表 小野寺萌恵選手が決意「自己ベストを切る」

2024年8月27日 20:11
目指せ!パラリンピックの表彰台 陸上・日本代表 小野寺萌恵選手が決意「自己ベストを切る」

 特集は28日に開幕するパリパラリンピックです。陸上競技で表彰台を狙う紫波町出身の小野寺萌恵選手に大会にかける意気込みを聞きました。成田記者のリポートです。

(小野寺萌恵選手) 「フランスとか世界に行っても負けないようにしなきゃいけない…練習の成果を出さなきゃいけない選手になんなきゃいけない」

 8月10日、花巻市内の陸上競技場に姿を見せたのは、紫波町出身の小野寺萌恵選手です。陸上の日本代表として初めてのパリパラリンピックに挑みます。大会まで2週間あまりとなったこの日も競技用の車いす「レーサー」を走らせ汗を流しました。

 小野寺選手は4歳の時に急性脳症を発症。後遺症で両方の腕と足にまひが残り車いすでの生活を余儀なくされました。競技を本格的に始めたのは中学2年生のころ。パラリンピックのイベントに参加したことなどがきっかけでした

 その後、パラアスリートとしての素質が花開きます。日本選手権やアジア大会など、国の内外の大会で素晴らしい成績を収めたほか、車いす・脳性まひのクラス『T34』の100メートルや800メートルなどで日本記録を打ち立てました。そのスピードの原動力は…

(小野寺萌恵選手)「自分のこのパラ陸上の強み、やっぱり負けず嫌いなところが強みですかね」

 そして迎えた神戸での世界選手権。出場した2種目のうち、100メートルで銅メダルを獲得したもののパラリンピック出場が内定する「2位以内」に届きませんでした。しかし、大会からおよそ1か月後…

(7月1日放送のプラス1)「うれしいニュースが届きました…」

 世界大会の成績などから算出される『ハイパフォーマンスランキング』で上位に入ったことから日本代表に選ばれました。

(小野寺萌恵選手)「不安も大きかったので、まず内定したのはやっぱりホッとしましたね。これからまたもう1回練習を始めなきゃいけないというのは、そういう気持ちを整いましたね」

 誰よりも小野寺選手の活躍を願う人がいます。盛岡みたけ支援学校の教諭、佐藤慎二さんです。自身も陸上選手として活躍した佐藤さんは、盛岡となん支援学校に勤務していた時、この学校に通っていた小野寺選手に出会いました。

(佐藤慎二先生)「小6の時に日常の車いすで学校の中を移動している時にその漕ぎの力強さをすごく気になって、ちょっと陸上やってみないかと声をかけた…」

 主に、小野寺選手が中学生だった時に指導にあたり、高校生になってからもより良い状態で練習できる環境の整備など活動をサポートしてきました。

(佐藤慎二さん)「障がいの特性に合わせて腕だけではなくて体も上手に使って漕ぐというようなところではそれが競技に結びついたというのはある」

 そして、佐藤さん、私たちにあるものを見せてくれました。異動で学校を離れる際に生徒たちから贈られた色紙です。小野寺選手からは…

(色紙の文面)「中学2年生の時から陸上を教えていただきありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします」

(佐藤慎二先生)「ちょっとしみじみしたといいますか、やっとこの舞台に 立つんだなというふうな感じです。まずは悔いのないように思い切って大会を楽しんで、彼女の気持ち、性格をくむのであれば目指せ!金メダル!そういう気持ちです」

母・尚子さん「ハイ!」

 多くの人の期待を背負って挑むパラリンピック。表彰台に立つためのポイントの1つが課題でもある『スタート』です。車輪に効率よく力を伝えて一気に加速できるよう入念に練習を重ねています。独学で競技の知識を身に付け指導にあたってきた母・尚子さん。コーチとして日々の練習を見守り続けてきたからこそ『いつもの走り』が大切だと話します。

母・尚子さん「勝つとか負けるとかというよりもまず練習した通りに走るっていうのがやっぱり一番の目標かなと思っています。今の力を十分に発揮してくれれば、まず少なくとも本人が目標にしている18秒台に届くんじゃないか」

 母親への感謝の思いも胸に二十歳の若きアスリートは世界の高みを目指します。

(小野寺萌恵選手)「やっぱり今までの自分の記録、18秒46を切れるような記録にしてもいきたいですし、メダルと表彰台をやっぱり1番の目標にしているところ」

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