クマ被害受け 秋田県が緊急対策会議 隣県にも「入山禁止」周知を要請
県は市町村の担当職員などを集めて緊急の対策会議を開き「入山禁止」の場所には絶対に立ち入らないよう強く呼びかけました。
また県外からの入山者も被害にあっていることから、県は隣り合う4県に対し「入山禁止」を広く周知するよう要請しました。
鹿角市での事故を受けてリモート形式で開かれた県の緊急対策会議には、市町村や県の出先機関の担当者などが参加しました。
県自然保護課 近藤麻実さん
「(事故発生時)みなさん固まった状態でいて襲われたということです」
「危険性の高い個体人とわかって近づいてくるような個体につきましては、複数でいてもなかなか防げるようなものではない」
事故をおこしたクマについて県自然保護課の近藤麻実さんは「人が放置した食べ物やゴミなどを食べて、人と食べ物を結びつけしまったクマが行動をエスカレートさせている」と指摘しました。
県自然保護課 近藤麻実さん
「(危険な個体は)人がいるとわかっていて人の食べ物ですとか、人そのものを食べ物と認識して攻撃しますので、同一個体が連続して事故を起こす危険性が高い。」
一方で近藤さんはこれまでの分析で、人がクマに襲われた事故のほんとんどが自分の身や子グマを守るための攻撃で、音を出せば防げると説明しました。
ただ今回のように「積極的に人を攻撃してくるクマ」については事故の性質や特性を理解した上で、対策や住民向けの広報をするよう市町村の職員に呼びかけました。
県自然保護課 近藤麻実さん
「非常に恐ろしい個体ではありますが、人と食べ物を結びつける特殊な学習をした特定のクマです。たくさんいるわけではないですし、どこにでもいるわけでもありません。特定のクマがいるとわかっている場所は現在入山禁止になっている」
「気を付けていてもこのタイプの事故は防げません。気を付けていても事故は起こります。だから『絶対に入らないでください』ということを繰り返しお伝えしています」
一方、佐竹知事は県議会との協議で。
佐竹知事
「クマの好物ですので人間との奪い合い」「タケノコの生えているところはやぶですから、笹これが全くクマが数メートル先にいても黙っていればわからない」
佐竹知事はこう述べて、見通しが悪いヤブを歩き回るタケノコ採りは、クマと遭遇する可能性が非常に高いと注意を呼びかけました。
また県は県外からの入山者もクマの被害にあっていることから、隣り合う青森と岩手・宮城・山形の4県に対し
・入山が禁止されている地域には絶対に立ち入らないこと
・入山可能な地域では音を出してクマとの鉢合わせを避ける
よう周知を求めました
今回の事故を受け仙北市では、山で行方不明になった人について山に入っての捜索は行わず、ヘリコプターや林道を車で走っての捜索にとどめると発表しました。