クマの生息数を継続調査へ 国の検討委員会
クマに人が襲われてけがをする被害が去年過去最多となったことを受けて、国はクマを「指定管理鳥獣」にして保護の対象から管理する対象に変える方向で検討を進めています。9日開かれた検討会で国は人の生活圏周辺に生息するクマを継続的に調査する考えを示しました。
検討会は12月に続いて9日が2回目で、クマの研究者などの委員が来月とりまとめる対策の方針案について論点や課題を整理しました。
国は人の安全を最優先する観点から市街地や住宅近くに出没するクマは捕獲する方針です。9日の検討会では科学的かつ計画的に管理するために人の生活圏周辺に生息するクマを継続的に調査する考えを示しました。これに対して委員からは「いまのように捕獲の上限を設けるのではなく、今後は捕獲する数の目標の設定も必要になってくるのではないか」という指摘も出ました。
いま行われているクマの有害捕獲は市町村が実施の主体で、被害防止を目的に農地などに設置するのが原則です。指定管理鳥獣になると都道府県が主体となって期間や場所、クマを捕らえる方法などを決め、有効な計画を策定することになります。
検討会の委員の一人で県自然保護課の近藤麻実さんは管理を強化するためには人材や装備、資金、情報が必要になると指摘します。
3回目の検討会は2月8日に開かれることになっています。