東日本大震災から13年 県内でも追悼各地で
東日本大震災の発生から13年です。11日は県内でも犠牲者を追悼する催しが行われました。「あの日を忘れない」震災の記憶を語り継いでいくことを誓い合う3月11日。県内各地を取材しました。
大館市の中央公民館では被災地の13年の歩みを多くの人に知ってもらおうと写真展が始まりました。展示されているのは岩手県久慈市に住むアマチュア写真家、新井栄司さんが10年余りにわたって撮り続けた被災地の姿です。「震災に負けずに力強く復興していく様子を記録したい」と新井さんがカメラに収めた47枚が展示されています。
東日本大震災では避難生活中に病気などで亡くなる災害関連死を含めて、死者・行方不明者が2万2000人を超えました。奪われた多くの命と日常。13年の歩みを撮り続けた写真は震災の記憶と教訓を今に伝えます。写真展は今月17日まで開かれています。
大仙市が開設し、市の第三セクターが運営するコミュニティラジオ放送局、FMはなびは東日本大震災のあと、市内全域に防災情報を発信しようと開局し、毎年3月11日に特別番組を放送しています。震災で犠牲になった人たちを追悼する式典も大仙市や地元の商工会とともに開催しています。今年も式典には市の関係者や地元企業の代表などが参列し、追悼の祈りがささげられました。
震災後、県内で暮らし始めた人の今の思いやこれまでの歩みをつづったメッセージが並べられた秋田市の遊学舎。支援を続けてきた人も集まって親睦を深める3月11日の交流会が今年も開かれました。交流会に参加したのはおよそ50人。このうち宮城や福島出身の参加者は10人で、出席した大半は支援してきた側の人たち。平日という事情もありますが、交流会を主催するNPO法人は県内で暮らし始めた人たちがそれぞれの生活を持ち始めた証でもあると前向きにとらえています。
これまでを振り返りながら午後2時46分を迎えました。
大仙市の追悼式典の会場には色鮮やかな灯ろうが並びました。牛乳パックに切れ込みを入れて模様を浮かび上がらせる手づくりの灯ろう「夢灯り」です。この取り組みを始めた大仙市に住む髙橋かおるさん。震災直後にボランティアで訪れた岩手県宮古市で作り方を教わりました。今年、会場に用意された「夢灯り」はおよそ400個。復興への思いを込めたメッセージが浮かび上がりました。取り組みに共感してくれる人も増え、作り手の輪も広がっているということです。犠牲者の冥福を祈り被災地を思う、夢灯りが会場を温かく照らしました。