クマ被害で異常事態 産直や加工所に深刻な影響が…
鹿角市十和田大湯の山林が、警察官がクマに襲われ入山禁止となってから10日。地元の産業にも影響が出ています。
この時期一番人気の山菜、タケノコが採れなくなり、小坂町の産地直売所などでは影響も出ています。
ハートランドマーケット店員 昆みどりさん
「もう店にとっては死活問題です」
小坂町の通称「樹海ライン」沿いにある道の駅「こさか七滝」の産地直売所です。
町内で収穫されたブドウを使ったジュースや、新鮮な山菜などを扱っていて、この時期は、小坂産のタケノコが特に人気だといいます。しかし。
昆さん
「うちはここに山のように置いて量り売りをするんですけれども、今年はそこのタケノコ山が入山禁止になってしまいまして、今は小袋でお売りするような状態になっていますね」
特にタケノコが採れるとされる樹海ライン沿いの山への立ち入りが広く禁止されたため、タケノコの入荷が極端に減ったといいます。
例年は1日に40キロほど持ち込まれることもあるといいますが、入荷したのは町の外で採れた、約5キロ。
タケノコだけで、年間の売り上げの4分の1ほどを占めているといい、影響は甚大です。
昆さん
「例年だと今が活気づいて、もうワクワクしながら売っていたのが、全然人は来ないし、物はないし、ちょっと落ち込みますね」
タケノコ採りの人も、買い物客も、少なくなってしまいました。
入山禁止の影響は別の場所でも。
小坂町の中心部で、妻とともに採れたてのタケノコを缶詰に加工している長井幸二さんです。
長井さん
「完全に前年度比の50パーセントですね。半分しかないです」
例年、タケノコの旬の時期は半月余りの間に1万個ほどの缶詰を作っていて、本来は、まさに最盛期のはずでした。
ところが今年は、入山禁止の影響を受けて、加工の依頼が激減。
これまでに作ったのは1600個ほどにとどまります。
長井さん
「なかなか厳しい状況ですよね」「これだけで見ると、もう全然ヤバイなっていう。」
長井さんの妻
「缶詰関係の支払いができればいいねっていう感じ」「ははは」
倉庫には、今シーズンにむけて用意した約6300個の缶詰が使われないまま残されていました。
長井幸二さん
「やっぱり害が出ているところについては駆除するというふうなことを徹底してやっていただいて、皆さんが安心して山に入れるような環境もちょっと作っていただければ」
クマが人を襲うという異常事態に旬の味覚 タケノコが大きな影響を受けています。