秋田新幹線の新仙岩トンネル整備実現に向け結束
秋田新幹線の運行時間短縮や運休・遅れを減らす効果が見込まれている新たなトンネルの整備実現に向け、県とJR、それに沿線の自治体が県内の機運醸成を図る取り組みを強化していくことになりました。3者が連携することで早期整備を強く望んでいる姿勢を国にアピールする狙いがあります。
JR秋田駅から盛岡駅までは内陸の山あいを走る区間も多い秋田新幹線。中でも秋田と岩手の県境付近は谷底を縫うようにして線路が走り、雨や雪の影響を受けやすいことが課題です。その県境付近で新たに整備が計画されているのが新仙岩トンネルです。
トンネルは田沢湖駅と岩手の赤渕駅の間を結び奥羽山脈を横切るおよそ15キロの区間で整備が検討されています。JRはトンネルの整備で秋田東京間の所要時間がいまより7分縮まって、最速およそ3時間半となるほか、雨や雪の影響による運休・遅れも減らせると見込んでいます。
県とJR、それに新幹線の沿線自治体の大仙市がとりまとめを担う整備促進期成同盟会は、このトンネルの整備実現に向け、連携を深めることになりました。現時点で想定する事業費はおよそ700億円。県とJRはいま、整備を念頭に置いた地質調査をおよそ3億円かけて進めていて、この調査結果次第で事業費が変わる可能性があります。
3者は8日、連携協定も締結しました。トンネル整備に向けた県内の機運醸成を図るため、新幹線の利用促進や沿線自治体の活性化につながる取り組みを進めます。具体的な内容は今後協議して決める方針ですが、国に秋田新幹線の重要性や整備を強く望む姿勢をアピールする狙いもあります。
工事開始から完成まではおよそ11年かかる見込みです。現時点ではJRが費用の6割程度を負担し、国や県にも一定の費用負担を求める想定です。