【沸騰化時代の処方箋】自販機でCO2を吸収!大手飲料メーカーが独自開発
名古屋・栄の中心に建つ施設『SLOW ART CENTER NAGOYA』に、2カ月前から置かれている自動販売機。なんとこの自動販売機、「CO2」を吸収する自販機なのです。
その名も、「CO2を食べる自販機」。どうやってCO2を“食べる”のでしょうか。自動販売機を開発した『アサヒ飲料』によると、秘密は自動販売機の中に置かれた2つの段ボール。段ボールの中には、アサヒ飲料が独自に開発したCO2吸収剤が入っていました。
この吸収剤が入った袋にCO2を入れると、みるみるうちに袋が収縮。1分ほどでCO2を吸収していきました。商品の冷却などのため、周囲の空気を取り込んでいる自動販売機。吸い込み口に近いスペースに吸収剤を置くことで、CO2を吸収することができるのです。
アサヒ飲料によると、「CO2を食べる自販機」1台あたりが吸収するCO2は、年間で杉約20本分。使用後の吸収剤は、コンクリートやタイルなどに再利用することを検討しているそうです。
なぜ、こうした取り組みが必要なのでしょうか。その理由は、地球規模で起きている“ある問題”に立ち向かうため。「国際連合」グテーレス事務総長は、メディアの前で「人類は猛暑によって窮地に立たされています。地球温暖化の時代は終わりました。地球沸騰化の時代が到来したのです」と地球の状況を報告。いまや地球は、“沸騰化”の時代に突入しているのです。
『アサヒ飲料』CSV戦略部・峯澤和裕さん曰く、「都会の中に森を作るというコンセプトを実現する」という思いのもと誕生した「CO2を食べる自販機」。今年から導入を進め、年度内に500台の設置を目指しているそうです。