迫る春節、岐阜県が中国人観光客に大人気

日本にも多くの観光客が予想される、中国の「春節」が今月10日からスタート。岐阜県の観光地を訪れると、一足早く中国人観光客の姿が。人気の理由は“雪”だった。

春節に人気の観光地は岐阜県！

今月10日から17日まで、旧暦の正月にあたる「春節」のため8連休となる中国。これを前に3月5日までの40日間を、鉄道や飛行機などの交通機関が特別態勢をとる「春運」と呼び、多くの人々が帰省や旅行で移動する。

春節休みの期間、アジアの人が多く利用するツアーサイトの都道府県別予約ランキングを見てみると、なんと5位には岐阜県がランクイン。予約数は、去年に比べて3.5倍以上増えているという。
中国人観光客から人気を集めているのが、岐阜県の「白川郷」。ツアーサイトの担当者によると、特に日本へ何度も来ている中国人らは、“主要都市以外の日本の四季に触れたい”と、遠方に足を延ばしている傾向があるという。

白川郷の海外観光客を取材すると、「やっぱり白川郷の合掌造りと雪景色を見たいですね」、「今回の目的は雪、子どもが初めて雪を見ました。雪を見るために日本に来ました」など日本ならではの四季に関心を集める声が多く寄せられた。

世界遺産にも登録されている合掌造りの集落。雪の降らない国の人達は、今しか見られない雪景色の絶景を楽しんでいた。

ブランド品の販売ショップでは割引クーポンを発行

景色を求める人もいれば買い物を楽しむ人の姿も。名古屋市大須にあるブランド品の販売・買取を行う『BRAND OFF』では、春節に向けてたくさんの商品を店頭に用意する準備が進んでいた。

このお店では、春節の時期の売り上げが、多いときには通常の平均に比べて1.6倍となる時があるという。副店長の張 力口さんは、「春節もあるのでそのためでもありますね。100万円以上の買い物をしてもらえると、5万円オフ＋免税はできます」と話す。インバウンドのお客さん向けには、春節のタイミングに割引クーポンも用意。

取材日には、すでに中国・上海からのお客さんの姿も。訪れた理由について、お客さんは「旧正月で仕事が休みなんだ。日本は中国より価格が約10％安いし、免税とここのクーポンが利用できるから、毎回好きなものを買っている」と話した。
今週の土曜から始まる「春節」に向け、この店舗では、ルイ・ヴィトンの商品を100点増やす予定だという。

人気の理由は“リピーター”の増加か

春節の時期、人気の都道府県ランキングで5位にランクインした岐阜県。この調査を行った、オプショナルツアー予約サイト「ＫＫｄａｙ（ケーケーデイ）」によると、人気の理由には、春節のシーズンは中国だけでなく、アジア全域で大型連休になる国や地域も多いことも関係しているという。日本を選ぶ海外旅行客の多くは、何度も日本に訪れている“リピーター”。そのため、定番ではなく地方を選ぶ傾向にあるという。また、中国からは雪の降らない南部地方からの観光客が多く、日本ならではの“四季”を目的にとする観光客も多くなっているそうだ。