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妻を殺害の後「お父さんと一緒に死ぬか」 “母子3人殺害”で懲役30年の判決 被告の父親「取り戻せないことをした」 名古屋地裁

2024年7月9日 19:02
妻を殺害の後「お父さんと一緒に死ぬか」 “母子3人殺害”で懲役30年の判決 被告の父親「取り戻せないことをした」 名古屋地裁

おととし、愛知県内で家族3人を殺害した罪に問われている男の裁判。9日、名古屋地裁は男に懲役30年の判決を言い渡しました。

田中大介被告(先月・名古屋地裁):
「取り戻せないことをしました。毎日思い出して謝っている。時間が戻せるなら戻したい」

法廷に立った男が口にしたのは、自らが起こしたとされる事件への後悔。

妻と2人の子どもを殺害した罪に問われる田中大介被告(44)。9日午後、判決が言い渡されました。

起訴状などによると、田中被告はおととしの夏、妻の智子さんに浮気を疑われていると思い込み、口論の末扶桑町の自宅で首を締めて殺害。

そして、犬山市の山中に停めた車の中で長女の千結さん(当時9)と長男の十楽くん(当時6)を殺害したとされています。

これまでの裁判で明らかになったのは、事件当時、子どもたちへ迫ったあまりにも残酷な選択でした。

田中被告:
「子どもたちには「祖父母の家に行くか、お父さんと一緒に死ぬか」聞いた。泣きながら「お父さんと一緒に死ぬよ」と答えました」

「お父さんと一緒に死ぬ」と答えたという子どもたち。

田中被告は事件について聞かれると…

田中被告:
「全部自分が悪いんです。智子も千結も十楽も悪くない」

裁判では智子さん殺害当時の田中被告の責任能力の程度が争われ、検察側は「犯行時自らの意思により行動をコントロールしていたと言える」などと指摘し、懲役30年を求刑。

一方の弁護側は、田中被告が犯行時、心神耗弱状態であったとして懲役25年を主張していました。

そして9日に開かれた判決公判。

髪を短くし、上下スーツ姿で法廷に立った田中被告に対し、名古屋地裁は懲役30年の判決を言い渡しました。

理由について裁判長は「妄想がそれなりに影響を与えたことは否定できないものの、犯行は短絡的かつ身勝手、自己中心的と言わざるを得ない。何の罪もない3人の命を奪い強い殺意に基づく残虐残酷な犯行」と指摘。

田中被告はじっと前を見つめて裁判長の話を聞いていました。田中被告の弁護士によると控訴はしない方針だということです。