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【独占取材】15歳で五輪出場を果たした天才スイマー 24歳で現役引退を決断 「命削ってやってきたので、これで終わったんだって思えた」 岐阜市出身・今井月選手

2024年9月24日 19:07
【独占取材】15歳で五輪出場を果たした天才スイマー 24歳で現役引退を決断 「命削ってやってきたので、これで終わったんだって思えた」 岐阜市出身・今井月選手
現役引退を決めた競泳・今井月選手(24)
幼いころから天才スイマーと呼ばれてきた岐阜市出身の今井月(るな)選手が、現役引退を決断しました。涙ながらに語った引退の理由とは…。

「本当に幸せな水泳人生だった」 天才スイマーが引退を表明 地元ファンと父親に感謝

幼い頃から天才スイマーの名をほしいがままにし、高校1年生でオリンピック出場も果たした岐阜市出身の今井月(るな)選手が現役引退を表明。24歳で引退を決断した理由を、中京テレビ「キャッチ!」の独占インタビューで話してくれました。

今井月選手:
「引退を決めた一番の理由は、パリオリンピックに行けなかったこと。リオオリンピックに出場したものの、夢だった東京オリンピックに出られなかった時から、次に失敗したらその場で引退しようと、ここ数年間、覚悟を決めてやってきたので」

月選手が引退を決めたレースというのが、2024年3月に行われたパリオリンピック代表選考会です。

レース終盤、先頭争いに食い込みますが、最後の最後で失速してしまい結果は3位。東京オリンピックを逃してから得意の平泳ぎ一本に絞り、必死に練習を積んできましたが、全てを出し切ってもパリの切符を手にすることはできませんでした。

レース後、最後までプールに残り、天を仰いでいた月選手。当時の心境を、このように振り返ります。

今井月選手:
「本当に命削ってやってきたので、いざパリオリンピックに行けなかったとき、本当にこれで終わったんだって思えた。これが最後の景色なのかなって感じた。いろんな人から『たった1本のレースじゃん』とか言われたけど、私にとっては“あの1本”で人生が左右すると思って数年やってきました。そこまでの過程も含め、あれ以上はできなかったと思えたから」

3歳のとき、兄の影響で水泳を始めた月選手は、小学校にあがるとすぐに才能が開花。今でも破られていないジュニアの記録を次々に更新していき、いつしか天才少女スイマーと呼ばれるように…。2016年には、なんと15歳で夢のオリンピック出場を果たしました。

そんな月選手を支えていたのは、地元の温かい声援だったそうです。

今井月選手:
「すごく早咲きだったので、小さいころから水泳選手としてメディアに取り上げていただいて、地元の方たちに見ていただく機会も多くて、どんどん成長していく様子や苦しんでいる姿も見てもらえた。また新しい決断をするということで…(涙を浮かべて声を詰まらせる)…さみしいですけど、またセカンドキャリアも応援してもらえたらと思います。本当に幸せな水泳人生だった。今、競技を終えてみて、いろんな人に応援してもらって、期待されることが、どれほど幸せなことだったのかと感じています」

そして、8歳の誕生日に母を亡くして以降、男手ひとつで月選手を支えてきた父・博美さんの存在も、大きな原動力になっていたようです。幼いころから月選手が泳ぐところには、いつも父の姿がありました。

今井月選手:
「自分ががんばる理由のひとつとして、父親にいい姿を見せたい、喜んでほしいというのがあった。一番のファンでいてくれて、一番サポートしてくれたのが父親だったので感謝しています。私が泳がないことで試合会場に呼べなくはなってしまいますが、父親も長い間がんばったと思ってくれていると思う。さみしい気持ちはありながらも、次の人生に向けて背中を押してくれているので、どんな形であれ、今後もがんばっていきたいと思います」

できることはすべてやりきったといい、最後は清々しい笑顔を見せてくれた月選手。今後は、今までの水泳人生をいかして、伝える側の仕事がしたいといいます。フィールドが変わっても輝き続ける月選手の姿を楽しみにしています!

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