15年ぶり大型クラゲが大量発生か 漁師が対策乗り出す
底引き網漁の季節が近づく中、15年ぶりに日本海で大型クラゲの大量発生が懸念されています。県内の定置網でもすでに確認され、漁師が対策に乗り出しています。
先月26日、坂井市の三国港から沖合300キロあまりの日本海で大型クラゲが漂っているのが確認されました。
共栄丸 五島嘉文さん
「いつもは、だいたい1、2体入るが、今年は10何体ほど大きいクラゲが入るようになってきた 7月半ばから近づいてきていて、量もサイズも大きい いつもより1か月くらい早い」
最大でかさの直径が1メートルほどの大型クラゲが複数網にかかりました。
共栄丸 五島嘉文さん
「クラゲ対策をせずに網を仕掛けたらクラゲの毒でエビが真っ白になった 全部廃棄する」
ひっかけたまま巻きあげれると魚がつぶれたり網がやぶれたりする厄介者の大型クラゲ。
記者
「大型クラゲの大量発生を受けて、県内で甘エビの水揚げ7割を占める三国港では、漁師が対策に追われている」
来月1日に解禁される近海の底引き網漁を前に準備していたのはクラゲ対策の秘密兵器。
五島さん
「網の一部分が海の中で開いているのでここからクラゲが出ていく エビはメッシュの粗いネットを通過して袋にたまる構造になっている」
大型クラゲが県内で大量発生したのは今から15年前。
この秋は数年ぶりにクラゲを逃す改良網を使って漁に臨みます。
五島さん
「クラゲが入るとエビの鮮度も相当落ちるし、つぶれてしまったり、エビが減るリスクを考えてこうしたほうがエビの鮮度も保てる」
県水産試験場によりますと、東シナ海から海流に乗った大型クラゲは、長崎県の対馬で1000個ほど確認されているということです。
県水産試験場海洋資源研究センター河野展久所長
「ここ15年大量発生はしていなかった 今年に限って例年よりもたくさん来ている このまま夏から秋にかけて大きくなって最大で1メートルくらいになる」
県内沿岸の定置網では60センチほどのクラゲが確認されています。
河野所長
「7月下旬に県内でも20個程度定置網に入っている」
漁業に深刻な影響をもたらす大型クラゲ。県では監視を強化するとともに漁業者への情報提供を行なうことにしています。