まもなく新紙幣登場も… 両替機など改修間に合わず 路線バスや小売店、設備投資の負担も重く
20年ぶりとなる新しいデザインの紙幣が7月3日に発行されます。1万円札には渋沢栄一。5千円札は津田梅子、千円札には北里柴三郎の肖像がそれぞれデザインされています。しかし、県内のあちこちで新紙幣への対応が間に合わないという事態が起きています。
丹南や嶺南を中心に路線バスやコミュニティバスを運行する福鉄バス。所有するおよそ50台の全ての車両で、運賃箱に備え付けの両替機の改修が新紙幣の発行に間に合わない事態となっています。
■福井鉄道 乗合事業部 長田光央さん
「1000円を入れる部分の内部にあるユニット識別する部分が部品の交換対象となります。キャッシュレス対応もあって(去年秋から)並行して準備していた。作業される(メーカーの)人手が不足していると聞いている。皆さまにご迷惑をおかけします」
しばらくはバスの車内で運転手が新紙幣と旧紙幣を交換することにしていて、改修は8月中旬までに完了する予定です。
■福井鉄道 乗合事業部 長田光央さん
「準備が遅れて大変申し訳ないですが、(バスに)乗られる方、両替される方はなるべく小銭を持って乗車いただきたい」
また、京福バスでは、新幹線県内開業で交通系ICを導入したのに伴って、新紙幣対応の両替機を路線バスの7割に設置しています。7月から急ピッチでソフトウェアの更新にあたる一方、残りの3割にあたる40台の車両の対応は未定となっています。
20年ぶりに発行される新しい紙幣。新紙幣発行の主な目的の1つは偽造防止ですが、小売業界では設備投資の負担が重くのしかかります。
■ベーカリーのオーナー
「新紙幣のお客が来たら、それと旧紙幣を両替する形。両替して対応する。本来は決済の作業はしないスタッフが紙幣を交換しないといけない。ひとりスタッフを配置する」
福井市内のベーカリーでは、混雑解消を目指して、数年前に260万円ほどかけて、いわゆるセルフレジを導入しました。しかし、このタイプのレジは新紙幣に対応しておらず、入れ替えが必要に。オーナーからは嘆きの声も聞かれます。
■ベーカリーのオーナー
「来年の春先をめどに機械の入れ替えを考えているけど、最近の物価高や電気代の上がった分、いろんな経費が増しているので。人手が要らなかった部分で対応しないといけない。人を割かれてしまうのは人件費高を含めて痛手」
新紙幣の発行まで10日。しばらくは旧紙幣が手放せない状態が続きそうです。