「卒業は寂しいけど、夢に向かって頑張る」 最後の卒業生が巣立ちの日 越前町常盤小学校、150年の歴史に幕 たくさんの思い出と地域の人たちへの感謝を胸に
自然に囲まれた越前町の小さな小学校が今月末で、150年の歴史に幕を下ろします。最後の卒業生となったのは1人の女の子。たくさんの思い出と地域の人たちへの感謝を胸に、学び舎を巣立ちました。
全校児童10人。越前町の常盤小学校では14日、卒業式が開かれました。
明治7年。1874年の創立以来、1200人あまりの児童を送り出してきた学校も、少子化に伴う学校再編によって、今月末でその長い歴史に幕を下ろします。
最後の卒業生となった為国莉々子さん。
父も通ったこの学び舎で、地域の人たちに支えられながら、6年間を過ごしてきました。
先週、卒業式を前に開かれた「6年生を送る会」ではマリンバ奏者を招いて、集まった下級生らを驚かせる演出が用意されました。
■マリンバ奏者 ふくだなるみさん
「実はきょう、サプライズでスペシャルなピアニストをお呼びしています。為国莉々子さん 、拍手!」
6年間の感謝を込めて、サプライズでピアノの演奏を披露しました。
コロナ禍には、みんなで支えあいながら、まるで一つの家族のように過ごした学校での日々。小規模校ならではの温かさがありました。
■担任・中橋利之教諭
「学校から帰るとき時あるじゃないですか。帰りたくないということが多い。学校が楽しいって、この学校が好きなんだなと」
■母・為国幸子さん
「常盤小はいろんな学年の子が助け合いながら過ごすことができて、社会人になったときにも、一緒に助け合いながら学びあったことが、きっとこれからの暮らしの中で糧になるのかなと思う」
たくさんの思い出と地域の人たちへの感謝を胸に、旅立ちの日を迎えた為国さん。笑顔と歓声に包まれ、学び舎に別れを告げました。
■最後の卒業生 為国莉々子さん
「卒業は卒業。寂しいけど、中学校では自分の夢に向かって頑張ります」
なお、3月23日には閉校に合わせた「お別れ会」が予定されていて、記念グッズが配られるほか、思い出のスライドショーも上映されるということです。